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□ETごっこ
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「ねぇねぇツクモ〜…」
「ダメ」
「まだ何も言ってないんだけど…」
「言わなくても分かるわ。无くんに勉強教えるの代わってって言うんでしょう?」
「………」
「フィオナは教えないで无くんを甘やかしちゃうから任せられない」
「ぅ…分かってらっしゃる…」
「それじゃ、もう時間だから」
そう言ってツクモは无ちゃんに勉強を教えに行ってしまった。
くそう!
私だって无ちゃん独占したいのに!
ツクモと勉強が終わったら與儀と遊んでるし、遊び終わったら花礫くんに今日あったことの報告に行っちゃうし……
私が无ちゃんと一緒にいられる時間が極端に少ない!!
「もっと私に无ちゃんのお世話させて!」
「そうは言われてもな。俺は无の自由にさせてやってるぞ?」
「じゃあ何か、私がただ単に无ちゃんに必要とされてないって言いたいのか!」
「誰もそんなこと言ってないだろ…」
全く…っと平門に溜め息をつかれた。
自分も无ちゃんに頼られてるからって…っ!
「私だって无ちゃんに頼られること見つけてやるーーー!」
そう宣言して平門の部屋を飛び出した。
「…何故俺に言うんだ」
◇◆◇◆◇
…とは言ったものの、
「私が无ちゃんに頼られることって何だろう…」
遊ぶ、おやつ、寝る、勉強…
全て私以外の人が適任だ。
「あー…どうしよう…」
とぼとぼと歩いていると、反対側から无ちゃんが歩いてきた。…あれ、元気ないみたい。
「无ちゃん!お勉強終わったの?元気ないみたいだけど…何かあった?」
優しく声をかければ、无ちゃんは、ぱぁっと効果音がつくような笑顔を向けてくれた。
か、可愛いすぎる…っ!
こんな可愛い子を独占してるなんて、みんなずるい!!