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□指ずもう
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「今隣にいるもの同士で良いだろう」



平門の提案にみんな自分の隣に視線を向けた。


平門の隣は花礫くん。
ただの指ずもうで終われば良いけど…

イヴァの隣はツクモ。
色々危ない。ツクモが。

无くんは1人でいるから………



「俺はフィオナちゃんとだね!」



無邪気に笑う與儀に心臓が爆発しそうになった。


誰にも言ってないけど、私は與儀が好きだ。好きで好きでたまらない。

まともに会話出来なくなるくらいには緊張するし、女の子といれば嫉妬するくらいに與儀が好きだ。


そんな側にいるだけでも緊張して仕方ないのに、指ずもう!?


無理だ、絶対無理だ。

手を繋いでうねうね動かし合うなんて、そんな恥ずかしいこと與儀とできる訳がない。

他の相手なら全然大丈夫。
だから初戦で適当に負けて終わらせるつもりだったのに、まさか初戦の相手が與儀だなんて……



「フィオナちゃん?どうしたの?」

「な、何でもない!」

「そっか、なら良かった!俺たち1回戦だし、始めようか!」

「え?」



周りを見ると、みんなの視線が注目していた。

なにこれ。

勝手にやっていくんじゃなくて、1試合ずつ観賞ですか。



「たかが指ずもうで1つ1つ観賞しなくても……」

「そうだな、フィオナ。たかが指ずもうだ、頑張れよ」



にやりと笑った平門。

こいつ……私が與儀を好きだと知ってて仕組んだな……っ!


なんて奴だ!
花礫くんと指ずもうして指折られてしまえ!

その意味を込めて睨んだけど、涼しい顔で笑われた。

めっちゃ腹立つ。
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