short
□でこぴん
1ページ/3ページ
ーーガッシャーンーー
「…!!」
「…っ!!」
やってしまった…
言葉にしなくとも二人は表情で語っていた。
この世の終わりとも呼べるほどの絶望的な表情をしているのは、フィオナと與儀だ
彼女らの視線の先にはバラバラになってしまった銃。バラバラだけならまだ直せるだろうが、落とした衝撃で欠けているものもある。
これでは新しい部品がなければ直せないだろう。
「ど…………どどどどどどうしよう與儀!!!」
「ええええ!?どどど、どうしようって言われても!?」
「お、怒られちゃう…っ!」
「てゆーか俺は殺されちゃう気がするんだけどな…」
「そんな怖いこと言わないでよ!」
壊してしまったのは、花礫の銃だ。漸く返して貰ったと言っていたのに、それを物珍しく勝手に弄っていた馬鹿2人は慣れない物の扱いで酷い壊し方をした。
アワアワと不審な動きをするそんな2人に羊たちが集まってきた。
「どうしたメェ?」
「わー!何でもないから集まってこないで!目立つから!目立つからーっ!」
「そ、そうだよ!こんなとこ、もし花礫に見つかったりしたら…」
「俺がなに?」
「………」
「………」
今会いたくなかった人物の声に2人は絶句した。そして合わせたかのように同時に悲鳴を上げる。
「「いやーーーー!!!」」
「うるっせぇ 2人で叫ぶな!」
再び合わせたかのように、今度は同時に両手で口を塞いだ。何とも双子のような行動に花礫の眉間に皺が寄る。
「………」
「……で、なに」
何故かもう既に怒り気味な花礫に、2人は冷や汗を流す。
「なに、答えられない事でもしてたわけ?」
「や、えっと……………ご、ごめんなさい!!」
「は?」
土下座する勢いで頭を下げたフィオナに、與儀は終わった…と頭を抱えた。
「あの、ね、花礫、こ、これ…」
无のような喋り方になりながら、フィオナはおずおずと壊れた銃を差し出した。