short

□指切り
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「无ちゃん、今回だけはお願い!」


手を合わせてお願いすれば、无ちゃんは渋々といった様子で頷いてくれた。


「分かった、フィオナちゃんのお願い聞くよ?」

「ありがとう无ちゃん!やっぱり无ちゃんは聞き分け良くて偉いねー!どこかの素直じゃないツンデレ少年とか聞き分けのないヘタレ泣き虫とは大違いだよ!」

「…おい、喧嘩売ってんのか?」

「やだなー、何も花礫くんのことだなんて一言も言ってないよ?それとも自覚有りなのかなー?」

「コノヤロ…」

「まあまあ!花礫くん落ち付いて〜!」

「てめぇもバカにされてんだぞ…」

「……へ?」


二人の漫才に私がクスクス笑うとツクモちゃんがため息をついた。


「…フィオナちゃん、帰ってきたら、一緒にいられる?」

「…っ」


うるうるとした純粋な瞳に見つめられ、思わず抱き締めそうになった。

だ、だけど、我慢だ…
今ここで抱き締めたら余計に離れられなくなる……私が。

抱き締めたい衝動をぐっとこらえ、私は小指を出した。


「もちろん、一緒にいるよ!帰ってきたら、一緒に羊のブラッシングでもしようか!」

「…うん!」


无ちゃんの顔が、ぱぁっと輝いた。そして無邪気にゆっくりと小指を絡ませてきた。
めっちゃ可愛い。何だろうこの天使は。


「俺、待ってるから!約束!」

「うん!約束だよ!」


笑顔のままどーにか問題解決!


さーて、さっさと調査終わらせて无ちゃんと遊んであげないと!

待っててね!无ちゃん!


end
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