春、僕らは出会う

□ 1話
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『うわぁーーーー!!おっきいね!
私たちほんとに今日からここに通うの?』


「楽しみだね、凛ちゃん!」





私の隣にいるのは嫁の千鶴。
今日も破壊的なかわいさで微笑みかけてくれる
千鶴のかわいさに癒されていると
見慣れた顔が近付いてきた。



「千鶴!!凛!はよ!」


「平助君おはよう」


『遅いよ平助!!今日は入学式なのに!』








私達は今日、薄桜学園に入学するのだ












ムラムラ…じゃなかった
ウキウキドキドキしていると、後ろから声をかけられた


「お前らこんなとこでなにしてんだ?」


振り返ると赤毛で長身の、なんというか…
犯罪的な色気をぶちまけている先生らしき人が立っていた


あまりのかっこよさに見惚れていると
平助と千鶴が口を開いた






「さ、左之さん!!?」「は、原田さ…んっ!!」




「え…平助と千鶴…か?」



『え?二人とも知り合いなの?
こんなかっこいい知り合いがいたなんて
私、聞いてませんけど??』


「!!…凛!?」


『え?…わぁっ!!?』




え?え?は?え?

いきなり抱きしめられた


さすがの私もびっくりした。
だって知らない人だし。
なんで私の名前知ってるの…?

この人には初めてあったはず
前に会ったことがあるなら忘れるはずがない
だってこんなにかっこいい人忘れられるわけないし。

『え、ちょ、は?なにしてんの?離してっ!!』


「お前らに…またお前らに会えるとは思ってなかったぜ…。元気だったか?」


「俺もびっくりした…また会えるなんて…」


「私、すごく…ぅ…嬉、しいで、す…」


感動の再会の場面…なのかな?
千鶴なんて泣いちゃってるし
男二人も目に涙を溜めている


でも…私のこと忘れてません?




『おーい三人共ー。』


「「「あ」」」


『何「あ」って!!忘れてたでしょ!!』


「凛…お前も元気そうだな。また会えて嬉しいぜ」


『え…あの、ごめんなさい…。
どこかでお会いしたことありましたっけ…?』


「は…?」





…。






「凛…お前…何も覚えてねぇのか…」


『え?』


「いや、なんでもねぇ
他のやつらはもう体育館に集合してるから、お前たちも早く行け」


『?はい。』












先生は溢れ出す色気をぶちまけながら
体育館の方へ消えていった
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