KIDU
□同じ季節★
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『……―――なに、ナンパ?』
「ハッ、そりゃァ自意識過剰だろ!」
『だね。だったらなに?』
「聞き覚えのある歌が聞こえたから」
『それで、わざわざ?モテそうなのにヒマ人だね』
「ヘタクソ」
『…はっ、?!』
「どうせ歌うんなら、もっと腹から声出せよ?」
『いきなり来て失礼だね?』
「じゃなきゃ勿体ねーェだろ!」
聞き慣れた歌に引き寄せられて練習スタジオの路地を覗けば、非常階段に座る女がイヤホンで聞きながら口ずさんでた
半分だけ袖を通してるだけの上着から煙草を取り出しながら壁に背中を突き
女の声ってだけでこうも違って聞こえるモンなのかと関心して煙草に火を付ける。少し苛立ったようなため息に視線をやると女が首を傾げてる
『結局、なにが言いたいの??』
「……おれの次くらいに上手いんじゃねーェのか?」
『それも自意識過剰なんじゃない?』
見逃しそうなほど小さく笑った女はイヤホンをジャックから引っこ抜いて『ヒマなんでしょ、一緒に聞く?』っと言ってボリュームを上げた。
「―――…ヘタクソ。」
『うるさいよ。サボりに来てないで真面目に練習したら?』
「今日の部屋禁煙なんだよ!それにサボりじゃなくて休憩だ」
『そっ、だったら一緒に聞く?』
「おれに自分の歌聞けってェのかよ?」
『ヒマなんでしょ??』
「どうせ聞くなら、新しいの聞けよ?」
『この歌が1番好きなんだよ!!それに…』
「それに?」
今日の天気は
『この歌にピッタリだから』
「……へーェ、」
『なに?なんか、おかしな事言った?』
「いつからロマンチストになったんだと思ってな?」
『そんな事はないと思うけど??』
…………)atogaki(…………
バンドマンなキッド!!実は前々から書いてみたいと思ってたんです!w(≧艸≦)w
話しの流れ的には、過去(出会い)→現在(2年後)くらいをイメージして書きました。2人が付き合ってるのかは敢えて曖昧にしたので
お好きなように想像して下さいませ♪