KIDU
□オンリーワンorオンリーユー?
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『あなた海賊でしょー?』
「ぁあ゛?」
『ユースタス・“キャプテン”・キッドだよね!』
「だったら何だ?」
『ちょっといい?』
「俺の首でも取りに来たのか?」
『えっ?』
「賞金稼ぎにとって情報は大事な物だろう。自分の知名度を知らないのか?」
小さな身体には不釣合いな大きな荷物。ため息にも似た息を吐き出しながらテーブルの上に置かれたそれはガシャリっと音を上げた
その音から中身が金品である事はすぐに解る。それを差し出し『半分渡すから金庫をかしてくれない?』そう言って
怯む事無くキッドに視線を向けた“渡し守”と呼ばれる賞金稼ぎは凛としていて勇ましかった。
『お久っ!!また置かせてもらいに来たよ!』
「毎度の事ながら、突然だな?揉め事だけは起こすなよ」
『あはは、それはわたしの所為だけじゃないよー?』
だからキッドが気に入るのも無理もない話しだと思うが、相手は新世界で名を上げた賞金稼ぎ一筋縄では行くはずも無い
「―――いつまでこんな面倒くせーぇ事続ける気だ?」
『また、その話し?』
「いちいち持って来るぐらいなら金庫の側に居ればいいだろ」
『本当にしつこいね。よく飽きないなー……』
「確かに飽きたな。」
『だったら、』
「答えろ。此処に留まれ!」
『……“それ”って脅し??』
「そう思うか?」
『思わない。脅せば言う事を聞くと思う?』
「思わねーぇな」
欲張りだから
『――い、……ったーぁ…い!!』
「急所は外してやったんだ。さっさと医務室に行け」
『撃っといて言う言葉?!』
「歩けるだけマシだろ」
…………)omake(…………
「傷無しの“渡し守”が来る度に医務室通いだな?」
『賞金首取るより、金庫の鍵を開ける方が命懸けかもね?』
「お前達は似た者同士過ぎる。」
『そうなのかもねー?』