KIDU

□居酒屋店員と客★
1ページ/1ページ


『――…結構前から思ってたけどさ、このメンツって“ビジュアル系”のバンドマンみたいだよな?』

「ぁあ?!何くだらねーぇ事言ってやがる」

『いやいや、マジめな話し!そのせーでちと面倒な事になってっしな!!』

「面倒な事…店側からの苦情が千鶴の方に入ってるという事か?」

『いんや、そーゆう悲観的内容でなく』

「……ひょっとして、注文を取りに来るのがいつも千鶴だけって事と関係してるのか?」

『さっすが、ヒート!!よく見てるね!当たらずも遠からずだ!!』

ケタケタ笑って前掛けのポケットから取り出した小さな金色の包みをヒートの前に置き、思い出したようにオーダーを手に取る
それからあからさまでムカつく接客態度で注文を取り、他のテーブルも回りながら忙しなく店中を動き回り
俺達のテーブルには必ず千鶴がやって来る様子を横目で観察してるがさっぱり解らねーぇ

「キッド、お前そんなにチョコレートが欲しいのか?さっきから目が千鶴を追ってるぞ?」

「…ぁあ゛?!何で俺がチョコレートを欲しがらなきゃならねーぇんだよ!」

「――でも、確かに気になるな。あんな言われ方をされたら」

面と向かって『ちと面倒な事になってっしな!!』なんて言われりゃ気にするなって方が無理な話しだ

『―――……す。じゃ、お疲れ様でしたーぁ!』

「……おい。シカトしてんじゃねーぇよ!」

『あっんれーぇキッド!?何、なんで居んの?ずいぶん前に皆と帰っただろ??』

「たかだか1時間前が“随分前”か?」

『いや、だって“1時間も”ここに居たって事だろ?!』

「…ぅ、るせーよ!」

バカって言ったヤツが馬鹿

『……それ言うために、ここに居たのか?暇人だなーぁ!!』
「んっな訳ねーぇだろ!さっき店で言ってた事説明しろ。何が面倒なんだ?」
『はぁ、あ!?それ聞くためにわざわざ待ってたとか、やっぱ暇人だわ!』
「殴られたくなきゃさっさと話せ!……3、2、」
『ちょ、3秒前からってカウントおかしいだろ!?』
「1、ぜ」
『キッドたち目当ての客にイビラレちゃって、ホール業務が円滑にならないって話し!』
「意味が解らねーぇな」
『つまり、簡単に言うと“女の嫉妬は怖い”って事だよ!以上、説明終わり!!』




…………)atogaki(…………
前作“バーテンダーと客”の続編っという事で書いてみたのですが、どうなんだろう...コレ?!
イメージ的にキッドには居酒屋で飲んでてほしいです!!

 

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ