KIDU
□FIRST of LAST?★
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『そう言えばさ、初めてのキスの相手ってキッドなんだよねー』
「……何だよ突然。今更それが不服だとか吐かすなよ」
『別にそーわ言ってないって!ただの事実を言っただけ』
「そーかよ。んっな事言ったら切りねーぇだろ?」
『そうだっけ??』
「初めて恋人繋ぎしたのも腕組んだのも、男の部屋に泊まったのも全部俺だって言ってなかったか?」
『そう言えば、そーだね……。今思うとわたしの”初めて”って全部キッドなんだよねー』
3年付き合った彼氏にフラれた腹癒せに携帯でキッドを呼び出して適当に入った安い居酒屋の座敷で自棄酒飲んでたら
ふとファーストキスの相手がキッドだった事を思い出して、それからキッドが言うように芋づる式にいろんな事を思い出した。
初めてキスマーク付けたのも、その反対に初めてキスマーク付けられたのも、腕枕もおよそ恋人同士がやりそうなものは全てキッドだった
「―――まさかと思うが、男と別れた原因がそれだとか言わねぇよな?」
『そんな話ししないよー。ただ幼なじみ、つまりキッドと俺どっちが大事なんだ?みたいなね??』
「くっだらねぇ……、そんな女々しい事言う男だったのかよ?!」
『最初は違ったんだけどねー?結構前から誰と何処で何をみたいな事言うようになって』
「小せぇ野郎だなぁ。」
『もー……何か、面倒くさくなっちゃってさ!そんで別れたの』
「………へーぇ、そうかよ」
『でも何かさ、』
「別れた事後悔でもしてんのか?」
『そうじゃなくって!言われっぱなしで言い返せなかったからムカつく、みたいな?』
「そんで自棄酒に付き合わされてんのかよ俺は」
『そうよ?悪い??』
「別に。俺はタダ酒が飲めて、お前がそれで吹っ切れんならいくらでも付き合ってやるよ!」
『ありがとーキッド!わたし次はキッドみたいな男好きになる!!』
今更なこと
「みたいって何だよ?!俺じゃ不服だってのかてめぇは!」
『不服って訳じゃないけど、何か違う気がするんだよねー?』
「何が違うつーぅんだよ?」
『あっ、でもキッドが結婚相手っていうのはありなの!!ってゆーか他の人だと違う気がするんだよね?』
「あーぁ、そうかよ。訳解んねーぇ理屈だな!」
…………)atogaki(…………
ずっとこのままで居たいけど、いつか誰かの物になってしまう事を考えると―――
付き合う事は考えられなくても結婚して夫婦になるのはありだっていう複雑な心境のヒロインちゃん
別れたお相手(元カレ)はお好きな方をご想像くださいませ。