KIDU
□Mei・Mei・Mei!!★
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「―――おい…お前、大丈夫か?どっか具合でも悪いのかよ?」
『ひィ、ぅ……!!?』
「おい、聞いてんのか!」
『ひゃ、……ぇ…ぁ、ゴメンなさい。えっと…』
「ったく。今度は聞こえたみたいだな、大丈夫かよお前顔真っ青だぞ?」
『はい、大丈夫です。ご親切にありがとうございます』
「そうかよ。そんなら俺は行くからな」
『はい。ご心配お掛けしてすみませんでした』
青白い顔に引き攣った笑顔を貼り付けて、何処が大丈夫なんだか―――バレバレの強がりに舌打ちを押し殺して立ち上がる
どっか決まりの悪さを感じながらも今初めて会った女、所詮は赤の他人だと言い聞かせるように足早に歩き出せば
肌にびりびりくる轟きの後に稲光と雷鳴それに交じって悲鳴が聞こえて踏み出す足を後に引いて振り返る
シャッターの閉まった店先で膝を抱えていた女は両手で庇うみたいに耳を握って必死に堪えてるようだった……。
「……―――おい、雨宿りなんかしてないで帰ったらどうだ?雷も雨も止みそうにねーぇから」
『ぇ、ぁ…さっきの――大じょt』
「大丈夫じゃねーだろ全然。今のお前の何処を見て大丈夫だって思えばいいんだよ?」
『はぅ、それは…えっと、そうなんですけど傘も無いですし。それに』
「雷が怖くて家まで帰れないんだろ!タクシーでもなんでも乗って帰ればいいだろうが!!」
『それは勿体無いです。彼処に見える赤い屋根のアパートなので……』
かみなり
「あのおんぼろアパートの住人だったのかよ。――仕方ねぇからついでに送ってやる」
『ぃや、あの……そんなの悪いです、から』
「ついでだって言ってんだろ?俺もあのアパートに住んでるからな」
…………)omake(…………
「其処がお前の部屋なのか?偶然にしたって出来過ぎてんだろ?!」
『はい?』
「まさか、雷で腰抜かしてた女が隣人だったとはな」
『…ぁ、じゃぁ貴方が”顔ナシ”さんだったんですか!?』
「あぁ゛?!」
『実はわたし、朝に何度かお見掛けした事があるんです。いつもフードを深く被って顔が見えなかったので……』
「それで”顔ナシ”か?だったら、お前は”腰抜け”だな」
『……それは、ちょっとヒドいです』
「そりゃーぁ、お互い様だろ!俺を”顔ナシ”呼ばわりしてたのはお前が先だ!」