KIDU

□firework★
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「……―――千鶴、お前なーぁ」

『ゴメン、ゴメン!!転びそうになって慌ててたら何でかスピードついちゃって…』

「すっ転ぶのは勝手だが俺を巻き込むなよ。ったく、スケート場に尻餅突きに来たのかよお前は?」

『もうちょっと上手く滑れると思ったんだけど、なかなか上手くいかなくて』

「思っただけで滑れる訳がなかったか……、千鶴の運動神経の無さを甘く見すぎてたな」

『うん、ごめt………』

通算何十回目になるか解からない転倒にキッドを巻き込んで、氷面に顔から激突!なんて事だけは避ける事ができたものの
ヒリヒリとする鼻を摩りながら顔を上げるとキッドの背後にある空に鮮やかな花火が打ちあがって
言いかけた謝罪の言葉を思わず飲み込んで夜空に目を見開いて食い入った。

『……すっ、ごい―――真冬の花火だぁ』

「ったく。まさか座り込んで見るはめになるとはな」

『えっ?!キッドは知ってたの??』

「スキー場のコマーシャルで花火上がってんの見て、いいなーって騒いでただろ?」

『それで、わざわざ連れて来てくれたの?』

「スキーは無理でもスケートなら立つくらいなら出来るだろうと思ったんだけどな。読みが甘かったらしい」

花火

『ありがとうキッド!!スッゴく嬉しい!』
「あぁ。――そりゃーそうと千鶴お前鼻擦りむいてるぞ?」
『ぅん?……ぁ、さっきキッドにぶつかった時に擦りむいちゃったのかな??』




…………)omake(…………
「……まぁ、舐めときゃ治るようなもんだ!」
『鼻なんて自分で舐められる場所じゃないでしょ?』
「舐めて欲しいなら舐めてやってもいいぜ?」
『それはぁ…、丁重にお断りします』
「何遠慮してんだ?―――照れてやがんのか?」

 

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