MARCOV

□あの日の涙を★
1ページ/1ページ


『―――……お帰りなさい』

「ただいまよい」

『なーに?ふふっ、くすぐったい』

「此処には来ないモンだと思ってたんだけどねい?」

『連絡した方がよかった?』

「いや。突然来られて困るなら端っから合鍵なんて渡してねェよい」

予報外れの土砂降りの雨が降った日にずぶ濡れでやって来た女は、遠慮がちにスツールに腰を掛けた。
それたら静かな声で『雨の色のお酒はありますか?』と言って小首を傾げる
雨と言われて思い浮かぶ色は透明、一般的に水の色を表す水色か青、雨雲の黒かグレーの中でカクテルを作るなら淡い水色だろうか?

『ひとりは寂しい』

「………、?」

『バーテンダーさんもそう思いませんか?』

棚から酒を取り出しカウンターの客を振り返り見ると女は、微笑を浮かべて静かに涙を流していた。まるで自分が泣いてる事に気付いていないかのようだった…

「いつ来たんだい?」

『んー…始発の地下鉄に乗って、交番で道を聞いて、ぐるぐる探してたからー』

「そんなに朝早くから来てたのかい」

『早く目が覚めたから』

「寂しくなっちまったのかよい?」

ちらつくのは...
ひとりは寂しい、そう言って流した涙。


『どうかな?』
「それで、はぐらかしてるつもりかい?」
『それも、どうかな?お弁当作ってきたんだけど食べる?』
「嬉しいねい。それじゃーァ、朝飯にしようか?」




…………)atogaki(…………
バーテンダーってカッコいい職業ですよね!!(*^-‘)b
短編で職業バーテンダーのお話しを書いた事がありますが、そのカッコよさを活かしきれていません。
今回も、相も変わらずといったところでしょうか?精進します(苦笑)
オマケは交番で道を聞いてる様子です。おまわりさんが誰かは解りますよね?


…………)omake(…………
『すみません。ココへ行きたいんですけど?』
「あらら〜、こんな朝っぱらから迷子?」
『道を教えてもらえますか?』
「それは構わないが、……お姉ちゃん…美人だねーェ?今度デートしてみない?」
『彼氏いますから』
「何だそーォなの?そいつァ、残念だなァ…」

 

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ