MARCOV
□雪が溶けたら春になる
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『病人と怪我人以外は立ち入り禁止にしたはずだが?ドアにぶら下げた札を見なかったのか?』
「島に着いた時くらい、無視無視!」
『勝手な事を』
「なー、島に遊びに行こうぜ!!」
『そんなに暇なら自隊の倉庫を整理でもしたらどうだ?』
「あーぁ、いいって!その内やるから」
「へーェ、その内ってのは“いつ”だろうねい?」
「ゲッ!!マルコ、何で此処に?!」
『やれやれ。今日は千客万来だな――…1番隊隊長殿はコレを取りに来てくれたんだろう?』
薬の買出しをする事になり事前に必要な物を書き出しといてくれと船医やナースからも品目リストを受け取って回り
最後に、新入り女船医が引き籠もってる色々と入りづらい札が2個も3個も下げられた部屋に入れば
何かと理由を付けて外に連れ出そうと躍起になってるエースが丸椅子に噛り付いてる。不思議な光景に出会した
「あぁ、…――確かに」
『宜しく頼む』
「なー、遊びに行くのが嫌なら散歩でもいいし!」
めげないエースにありありと呆れた顔をして机に頬杖を突いてため息を吐き捨てた女船医はペン先を紙にトントンと当てる
『今回限り―――それが条件だ』
「じゃーァあ!」
「へーェ…、」
『問題を出すのは1回。答えるのも1回。お手付きは即、アウト』
「はぁ?!ちょっ、何言ってんだ?」
『時間は夕方まで』
「なるほど。そうゆう事かい」
「どうゆう事だよ?」
『これから出す問題に答えられたら“散歩”に付き合ってやると言ってるんだ』
雪が溶けたら
「水だろ!雪が溶けたら水になる!!」
『ハズレだな。』
「雪が溶けたら“春”になる。答えは春だよい」
…………)omake(…………
「もう少し楽しそうな顔したらどうなんだい?」
『散歩にそんなモノは必要ないだろう』
「それはそうだが、夕方までずっとそんな顔してんのかよい?」
『さーぁ、どうだろうな?』