MARCOV
□幸せのしっぽ
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『お帰りなさいマルコさん!』
〈あぁ、〉
『あっ待って待って!!そのままでいて!』
〈……嫌な予感しかしないお願いだねい〉
『ダメ?』
〈よいよい。〉
「マルコは雛姫の言いなりだな!」
「エース、せめて“唯々諾々”って言ってやんな」
〈どっちも、うるせーェよい!!〉
言いたい放題、好き勝手言ってるエースとイゾウをひと睨みすれば楽しそうに笑う声が聞こえて雛姫へ視線を移すと
ちょこんと甲板に座った雛姫が尾っぽの飾り羽根をくすぐったいくらい優しく撫でてる。
何をしたいのかと思えばこんな事かっと呆れて見てれば徐にソレを掴んでゆるりと首に巻き付けて嬉しそうに微笑み立ち上がって親父を見上げ……
『とー様、見てみて!幸せの襟巻き〜ぃ!!』
「グララララララララ!マルコの尻尾が“幸せ”かァ?」
『素敵でしょう?』
感じた“嫌な予感”とは少し違うが、子供っぽい雛姫の言動に自然と緩む頬をポーカーフェイスの下に隠して尾っぽの変わりに腕を首に巻き付けてやる
「……―――そんなに、襟巻きが欲しいならこうしててやるよい」
『あーぁ、残念!!戻っちゃた。』
「そうかい。いらねェってんなら仕方ないねい」
『くっ付いていられるなら、なんだってイイよ!』
「グララララ、仲がいいのは結構だ!おれの目が黒いうちに孫の顔が見てェもんだなァ?」
「だとよい。どォする雛姫?」
『とー様はわたしが居るだけじゃー物足りなくなっちゃったんだ?』
「そんなこたァ言ってねェだろう」
『じゃー、まだまだ先の話しってことでいいよね?』
「はっはっは、どうやら唯々諾々なのはマルコだけじゃないらしいな!」
「……まったくだ。いつまでヤキモキさせられるんだかなァ」
「おれも同感だよい。」
掴んだものは
『今はまだ、こうしてたいって思うのはワガママなのかな?』
「いいんじゃねェのかい?おれも親父も、他のやつらも雛姫のワガママは理解してるよい」
「そうそう。理解したうえで、叶えてるんだし甘えとけばいいだろ!」
「エース、お前は雛姫より年下じゃなかったか?」
「グララララララララララ!!おれから見れば、どいつもまだまだ甘ったれのガキだ!」
…………)omake(…………
「……親父、エースはいいとして…」
「いや、よかねーェよ!」
「いい年過ぎたおれ達までそこに混ぜんのはやめてくれ。」
『平等、平等!』
「いや。それは違うだろい?」