MARCOV
□近距離会話☆
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『そろそろ閉館時間。今日もお客さんは1人も来ませんでしたね?』
「………――――」
『……先輩?』
「ん、ぁ…?」
『もー、また寝てたんですか?貴重な本なんですからアイマスク代わりにしないで下さい!!』
「あぁ、悪かったよい」
『ちゃッちゃと起きて下さいね?もー閉館時間ですから』
「もうそんな時間なのかい?今日は誰も来なかったねい」
『ええ。今日も、誰も来ませんでした』
大学の敷地内にある大図書館は学生もしくは大学関係者以外の立ち入りを禁じていたが、有名な作家の小説も多くこの春一般にも開放された
でも、場所柄からか一般の人が来る事は無く、試験も無いこの時期にやって来る生徒も居ない。
春には12人居た貸し出し係も今では私だけになった――――大好きな本に囲まれて過ごせるこの時間が大好きだけど……
「さてと、恒例のジャンケンでもやりますか?」
『勝手に恒例にしないで下さい。戸締りと鍵の返却に2人も要らないと思いますけど?』
「だろうねい?おれが佐久良と一緒に居たいだけだよい!」
院生の先輩に気に入られて(?)からは暇さえあればからかわれてばかりで正直もう関わりたくない。
「佐久良はジャンケンが弱いねい?24勝0敗、おれの圧勝だよい」
『そうですか。興味ありません』
「今日はこの後何か予定あるのかい?」
『まっすぐ家に帰って借りてたDVDを見るくらいです』
「……取り付く暇も無しかい。」
『早く出て下さい。鍵閉めますよ』
「よーいよい」
『……これでヨシっと!!わっ、…何してるんですか?!』
「なーぁ、佐久良?この後一緒に飯でも食いに行かねーェかい?」
あと5センチで...
『近いです!!』
「おれぁ、鳥目だからこうしないと佐久良の顔が見れないんだよい」
『そうですか。キスでもされるのかと思ってビックリしました』
「そっちの方が好みかい?」
『好きでもない人とキスする趣味ありません。』
「そいつぁ残念だねい?」
…………)omake(…………
『……そろそろ本気で離れてもらえませんか?』
「おれは好きだよい――キスもそれ以上もしたいくらいにねい?」
『言ってて恥ずかしくないんですか?聞いてる方は恥ずかしいんですけど?』
「いちいち恥ずかしがってたら惚れた女も口説けないだろい」
『そっで…すか。』