MARCOV

□夕焼け小焼け★
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『―――……イゾウちゃんの次はサッチで、その次はマルコ』

「雛姫、………なのかい?」

『このままいけば最後は園長さんかな??』

「笑い方は昔のままだねい」

『どうして最近になって懐かしい人ばかりに会うのかな?』

「イゾウに聞いたよい」

『それで?』

「此処で“誰”を待ってるんだい?」

昔、養護施設があった場所にある大きな公園。真ん中に池があって白い石で出来たクジラの噴水が1時間置きに潮吹きを繰り返す
施設の名前と同じ名前を付けられた公園に来たのは10年も前の事。
公園が完成したばかりの頃に来ただけで最近はすっかり忘れていた―――……イゾウとサッチに呼び出されて話しを聞くまで

『昔、約束した相手』

「約束?」

『忘れられてるかもしれないけどね?』

今思えば初恋の人だったのかもしれない。そんな出だしから始まった話しは雛姫の名前が出た事でだいたい読めた

「12年も音沙汰無しなんだってねい」

『もうすぐ止めるけどね』

「諦めるのかい?」

『卒業かな?18になってら養護施設を出なきゃいけないでしょ』

「もう、雛姫は18になるのか……早いもんだ…。」

『長かったよ。わたしのは、すっごく長かった』

「―――プレゼントは何がいい?」

『手を繋いで帰れる人かな??』

だれでもいい、

『手を繋いで、一緒に同じ場所に帰ってくれる人が欲しい』
「………」
『なんてね!!そんなのクリスマスにも七夕にも誕生日にも叶えられない。』
「無欲だねい。そんな事でいいのかい?」




…………)omake(…………
『そんな事だけど、誰にも叶えられない。』
「俺が叶えてやる訳にはいかねーェのか?これから手を繋いで一緒に俺の家に帰る」
『迷惑でしょ』
「独身の男の独り暮らしだ!1部屋空きもあるし雛姫さえよかったら」
『……どうして??』
「大人になったら必ず迎えに行くって約束したからねい?」
『…約束、……覚えてたの?!』
「悪い。今の今まで忘れてたよい―――まだ、間に合うかい?」

 

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