恋人達のイベント

□MARCO
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『お帰りマルコ。』

「ただいま。まだ眠そうだねい?おはようはまだ先の方がいいかい?」

『……んーぅん。平気、』

「―――俺が居ない時でも部屋に来て構わねェとは言ったが、寝るならベッド使えよい」

『本を読んでたんだけど、いつの間にか寝ちゃったみたい』

「そうみたいだねい。よだれの痕でも付いてりゃ舐め取ってやったのに残念だよい」

『何言ってんだか。そんなの無くてもするクセに…』

顎に添えられた手の親指がするりと口唇をなぞるのに合わせて微笑めば、眠い目を擦ろうとした手を捕まれて少し強引な口付け
寝起きでいまいちはっきりしてなかった思考回路が更に解けて酸素までもわたしから奪っていく……
肺に空気を送り込んでいっぱいになったら吐き出せ!そう意識的に繰り返さなければ呼吸も満足に出来ないキスは久しぶりだ

『ぅ…ン、っ……ァ…』

そうしてどちらの物とも解らない唾液が口端から顎に伝ったのが合図だったかのようにマルコの舌先がそれを舐め取る事で口唇は離れた。

「――――この程度のキスでへばるたぁ、ヒロインもまだまだ可愛いねい?」

『起き抜けにこんな口付けする王子様の話しなんてきっと世界中探したって見付からないわね?』

「生憎と俺ぁお伽噺の王子じゃなく海賊だ!奪うのが特権なんだよい?」

『あらそう。奇遇ねわたしも海賊なのよ?だからこの厭らしい手は引っ込めてくれる?』

「言ったろい。海賊は奪うのが特権だって?」

『なら、わたしはその特権とやらを奪うわ。言ってもきかないなら切り札を捲る事になるけどそれでもいいかしら?』

「………参った。切り札に出て来られちゃぁおちおち一緒に居る事もままならねェ、引くしかなさそうだよい」

『不死鳥のマルコも親父さまには敵わないなんてまだまだ可愛いのね?』

「親父に敵う奴なんざこの船には居ねェだろい――お前以外には」

『この年になっても親父さまは猫っ可愛がりしてくれるんだから嬉しいやら恥ずかしいやらよ。それはそうと、これは何?』

過去、現在、未来...
「ちょっと遅れちまったが、バレンタインデーのお返しだよい」
『ナチュラルブルーのリングに3つの石が付いた指輪なんて、まるで雁字搦<がんじがら>めにされた気分』
「意味が伝わったんならそれで充分だ」
『素敵なお返しのお礼にわたしからも海桜石で出来た指輪をプレゼントしてあげましょうか?』
「………俺を動けなくさせてどうする気だよい?」
『勿論、不死鳥になれないマルコの”独り占め”よ?』
「俺が居なくて寂しかったかい?」
『――…本気でそんな事を考えるくらいには、ね?』




…………)atogaki(…………
この後日、親父さまから本当にリングの内側に海桜石の欠片が埋め込まれた指輪が渡せれて
マルコの腰布飾りと一緒に揺れてたりとかするといいと思う(笑)

 

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