いろいろ
□KAKU
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『……あっ?!』
「おっと!」
『ゴメーン、大丈夫?』
「昨今のシンデレラは野蛮じゃのう?」
『そう言うあなたは、これから白雪姫のとこに行くの?』
「そうだったら、いくらかマシじゃな」
平和ぼけした島の町外れ、小高い丘で一際大きい木の上に感じた気配を覗き込もうとして落ちてきた靴に少しばかり驚いて見上げた先には
太めの枝に跨り座ってこちらを見下ろす女の姿。ひらりと身軽に降りて来た女は、まだ幼く“少女”とも見て取れる
警戒心が無いのか靴を受け取りついでにわしが小脇に抱えてた紙袋の中を覗き込んで屈託の無い笑みを浮かべた
『悪い魔女になるほうがマシな状況ってなに??』
「このリンゴを待ってるのはオオカミなんじゃ…」
『って事は、あなたは“赤ずきんちゃん”なわけだ!』
見返りの無い笑顔を向けられる事が嬉しいなんて……自分でも気付かぬ内に潜入先ですっかり毒気を抜かれてしまってたらしい。
「そうじゃ、一緒にリンゴ食わんか?」
『ありがとー。でも、これじゃーやっぱり悪い魔女みたいだね?』
「言われてみればそうじゃな」
ついうっかり
『本当にもらっていいの?リンゴ待ってる人がいるんでしょ?』
「1つくらい平気じゃろ!」
『怒ったオオカミに食べられちゃったりしてー?』
「その時は代わりに石でも食わせて、川にドボンじゃな!」
『あははっ!!物語ごちゃ混ぜだねッ!!』
…………)atogaki(…………
さて、おとぎ話はいくつごちゃ混ぜになってるでしょうか?