いろいろ
□KUZAN
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「よぉ、元気にしてたか?」
『…あら、いらっしゃい』
「あーらら。随分と冷たい出迎えじゃないの」
『あらそう?暖かい歓迎だと思うけど』
「1つ確認したいんだが、俺達の関係はー…ぁ……何だ、その」
『良く言って友人。悪く言って知人かしらね?』
「―――ぁあ、そう。」
『何かご不満??』
「まーぁ、その…いや。それで充分だ」
遠浅の海で港も無い静かな村に彼がやって来たのは2年前、いつの間にか現れて勝手に人の家に住みついて
ふらりと居なくなってはまた戻ってくる。この前まで「此処は俺だけの定宿だ」なんて言ってたくせに最近は関係がどうのとばかり聞く
彼が何を聞いてて、どう答えれば彼にとっての“正解”になるのかは知っているけどその答えを言ってあげる気は無い
『今回は、ずいぶんゆっくりなのね?』
「あぁ、長く居るつもりだ」
『そうなの』
嘘を吐かないイイ男だけど肝心な事を口にしないズルい男。バレバレの嘘でも口にしてなきゃ割に合わない
『……長く居るつもりだ―――った。って言えばいいのに』
どうしていつも
『余韻だけはたっぷり残して行くのかしら?』
…………)omake(…………
「……はーぁあ。やっぱり追って来ちゃーあくれねぇか。今回もまた賭けに負けちまったなぁ…」