いろいろ

□PAULY
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「――――だっはー…ぁ、っっ!!!」

『いつもながら完璧に撒いたみたいだね?』

「ぁあ、何とかな!それにしても借金取りはともかく、何だって女が追い掛けてくんだよ!?」

『借金取りは自業自得!女に追い掛けられるのは……ぁ、それも自業自得だねっ!!』

「何で女に追い掛けられるのまで俺の所為なんだよ?だいたい、どいつもこいつもハレンチな事叫び過ぎなんだよったく………」

『結婚してー?とか、あなたは私のモノよ〜!とかのどの辺が“ハレンチ”なのかわからないけど?』

走り疲れと黄色い完成にいちいち反応する気疲れからぐったりと入り口脇の床に座り込んだパウリーに昨日の会話と変わりばえしないものを交わしながらため息を吐き
氷とミントの葉を浮かべた水の入ったグラスをコースターに乗せてカウンターに置く。
前より増えた借金取りと新たに加わったファンとの追いかけっことのブレイクタイム――――パウリーが毎日店にやって来るたびに私の1日が始まる気がする

「……いつも、悪いな?サンキュー!!」

『どういたしまして。そう思うならむしろツケを払ってくれないかしら??』

「んなっ、…お前まで借金取り側に回る気かよ!?」

『あら、ご不満ならファン側に回ってあげてもいいけど?そっちの方が好み??』

「そんな究極の2択いらねーぇよ!」

グラス1杯の水を飲みながら葉巻を1本吸ったらゴールのガラーラカンパニーまでの後半戦のスタート!!どんなに走り回って遠回りな出勤コースになっても仕事の手だけは抜かないんだからスゴいと思う

『副社長になって半年。ファンが増えるのはわかるけど、なんで借金取りまで増えてるの?』

「副社長になって知って気前よく貸してくれたってのに、人数増やして追って来やがってんだよあいつら!!」

『…いや、それ完璧に自業自得だからね?借金取りの見方するわけじゃないけど悪いのはパウリーの方だよ?!』

「…う゛、っ……ちきしょーぉ!!やっぱりお前もそっち側に回んのかよ!!!」

『ブーっ!!わたしは中立!もしくは線上かな?』

「チックショー、やっぱり俺は駄目な人間なんだ!!」

『なーにぃ、どこぞの幽霊と接触でもしたみたいに』

まぁ、いいんじゃない!

『パウリーはパウリーのままで!アイスバーグさんが認めた男なんだしさっ!!』
「痛っ…てぇよ、――…でも、あいがとよ!」
『どういたしまして!ほら、遅刻するよ?行った行った!!』
「おぅ!行ってくる!!」




…………)omake(…………
「ぁ、ところでさっき言ってた“幽霊”って何の事だ??」
『どこかの海の島みたいな船で暮らしてたけど異国の地に飛ばされて、気に入らない人の側で文句を言いながらも健気に暮らしてる横柄な態度の“小間使い”ちゃんの話し!』
「はぁあ?!」
『パウリーには解らなくてもいい事だよ!』
「ムカつく言い方だな」
『今日も来るでしょ仕事が終わったら?』
「……そんなもん、決まってんだろ!」


…………)atogaki(…………
さて、“小間使い”ちゃんとは誰のことでしょう??

 

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