いろいろ

□KUZAN
1ページ/1ページ


『―――ふーぅ……今日もいらしたんですか?』

「ちょっと、ちょっと!そんな冷たい歓迎しなくたっていいでしょーよ?」

『半年来なくても「ちょっと来ない間に」なんて言ってた人が毎日来たらそう言いたくもなります!』

「あーぁ、それを言われちまうと……まー、何だ…二の句も出なくなるんだが」

『当然です!それで反論をするようなら神経を疑います。ご注文は”いつもの”でいいですか?』

「………ぁー、どうしたらいいもんかねー」

『何か他に飲みたいお酒でもあるんですか?』

ほとんど開店と同時にドアベルが鳴ったのを聞いて出入り口に視線を向けると最近は毎日のように来るようになった常連さんの姿
皮肉っぽい言葉もこの人が相手なら許されるだろうと少々露骨に表情にも出せば
心底困ったとでもいうような顔をして被った帽子の上から頭を掻いてみせ、昨日と同じカウンターのスツールに腰を掛ける

「酒はいつものでいいんだ、ただ―――……」

『嫌です。いい加減しつこいですよ?その話しならもう何度もお断りしてるはずです』

「そいつはそーなんだが、どうしても…か?」

『はい!この考えは変わりません』

「俺がもー2度とこの店に来ないと、そう言っても考えは変わらねーか?」

『変わりませんよ。だいたいクザンさんはずるくて我が侭なんです!』

「―――好きな女に傍に居て欲しいって思うのはそんなに我が侭な事かねー?」

『それがずるいって言ってるんです!危険な仕事をしてるから外を一緒に歩く事は出来ないって言ってたじゃないですか?』

「海軍の大将なんてやってると逆恨みやら身の程知らずなチャレンジャーやらにいつ襲撃されるか解ったもんじゃねーからな」

『大将どころか海軍すら辞めた今ならそんな事態が無くなると本気で思ってるんですか?わたしにはそうは思えません』

「だからこそだ。後ろ盾の無くなった元海軍大将が足繁く通う酒場の女店主を1人残しておけないでしょーよ?!」

『……呆れた。既成事実を先に作って外堀から埋めてわたしから拒否権を奪う気ですか?』

「俺としてはそんな野暮な真似はしたくないんだが、どうしても頷いてくれないんなら実力行使に打って出る算段は用意してある」

ずるい大人

『散々わたしを子供扱いしといて、海軍を辞めたから一緒に旅に出ようなんて都合がよ過ぎますよ!』
「……なーぁ、紅葉?黄色のバラの花言葉を知ってるか?」
『知りたくないですね!』
「前途多難だねーまったく。―――まーぁ、あれだ!長期戦は覚悟の上だ根比べといこうか?」




…………)atogaki(…………
補足ですかね?
頂上戦後、元帥の座をめぐってパンクハザードでサカズキと一騎打ちの決闘(死闘?)をした直後
ガープの部下だった頃からの行き付けのバーが舞台でヒロインはそこの女店主!
両想いがゆえにもどかしいジレンマを抱える2人を書いてみた(つもりな)のです!!全体的に霧が発生していて解り難いサブ設定(笑)
 
 

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ