いろいろ

□KILLER
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『キラーこっちこっち、此処に座って!』

「……何と無く嫌なシチュエーションだな。」

『何が??』

「風呂上りにタオル広げてそんな呼ばれ方されれば誰だってそう思うんじゃないか?」

『だからキラーはどう思ったっていうの?それを教えてくれなきゃ解らないよ!』

「解らなければもういい。やるならさっさとやってくれ、髪の毛乾かしてくれるんだろ?」

『もちろんそのつもりだよ!さっ、早く此処に座ってッ!!』

そう言いながらタオルを大きく広げて自分の座るソファーの空いたスペースをぽん!っと叩いて招く仕草にこっそりとため息を吐いて座る
その呼ばれ方だと恋人云々は(大事だが今は)別として人間の男を招くというよりは、犬猫を呼び寄せる時のそれと大差無い扱いに感じられる。
勿論紅葉にそんなつもりは無い(あったらあったで困る)だろうがっと自問自答に自己完結して手近にある机に腕を伸ばす

『それ何??』

「本だ」

『バカ!どんな本かって聞いてるんでしょー?』

「紅葉は言葉が足らな過ぎる」

『それはキラーも同じでしょう?お互い様ですーぅ!!』

互いに本気で言い合ってる訳じゃないこんな取るに足らない会話を楽しいと思うようになったのはいつからだったか……
付き合い出してからだった気もするしそれよりもずっと以前だった気もする何とも曖昧な記憶だ

「身動きの取れなくなった男の話しだ。何故動かないのか思い出せない男は1番古い記憶から順に思い出していく」

『ふーぅん、それで?』

「そうして1つずつ思い出していく内に指、手、肘、肩と順番に思い出していく。今は両手と左足が終わって右足の膝まで思い出したところだ」

『そうやって最後には全身が揃って動かせるようになるってお話し?』

「いいや。思い出してくのは無くした順番で最後には男はくび」

『もーっいい!!それ以上は言わないで!怖い話しなら怖い話しだってそう言ってくれれば充分だから!!』

「紅葉が聞いたから教えたんだろう?」

『だからって、わたし今夜はメインマストの見張り台で不寝番なのに……』

「怖がりはいつまで経っても変わらないな?」

『そうやってからかって楽しい?』

「いいや、からかってる訳じゃない。ただ可愛いと思うだけだ」

照れて真顔になるその表情すら愛しいくらいに

『……やっぱり、からかってるんじゃない!』
「そう思いたいならそれでも構わない。」
『キラーの意地悪!』
「怖いなら他の誰かに代わってもらえ。そしたら一緒に寝てやる事も出来る」




…………)atogaki(…………
その他のコメントで下から2番目に書いてくださった方の”キラーで甘”を書いてみました☆
ちゃんと甘くなってるといいんですけど……。
追記でキラーの心情を付け加えるなら、不寝番の当番が回ってきた彼女を心配して敢えて怖がりの彼女に怖い話しをした。ですかね?
コメントありがとうございました!!

 

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