いろいろ

□ZORO
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ナミのやつ、あの”クジ”に
細工でもしてやがるんじゃねえのか?!

海賊の往来が激しいというこの島に
サニー号を停泊させて2日目
2度目の船番で流石に待て余した暇を
昼寝でもして過ごそうと


青々とした芝生に胡坐を掻いて
船縁に寄り掛かり、腰に下げてた刀を
抱えるように左肩に置いて眠る。


『ん…しょっと、ほっ!!』


―――まだ、目を瞑っただけだってのに
聞こえてきた声に視線を向ければ

両手に大きな紙袋を抱え、右手には
それよりも少し小さな手下げ袋を持った
紅葉が飛び乗った船縁から
芝生のメインデッキに―――落ちた。

飛んだ訳でもなく、下りた訳でも無い。

本当に、ドテン!!っと落ちたのだ…


『あた、たた…た!!』


「大丈夫かよ?」

『…あ、ゾロ――もしかして見てた?』

「あぁ、見事に落ちてたな?」

『あーぁ、見られちゃったんだ…
恥ずかしいな〜!!』


落ちた拍子に紙袋から飛び散らばった
幾つかの箱の内、フタが開いて
中から金色の銃弾が芝生に埋もれるように
紅葉の周りに転がってる

「……そいつを拾うのは後にしろ。」

『え、何で??』

「あんな落ち方したんだ
どっか痛めてんだろ、ちょっと見せろ」

『平気、平気!!大丈夫だよ』

「そうか。大丈夫なら見せれるだろ?」


『―――…ゾロには、敵わないな〜。』

今まで拾い集めてた弾を無造作に箱に戻し
”少し捻っちゃったみたい”と言って
体勢を変えると隠してた左足を見せる。

「…これが”少し”捻った足か?」

キュッと締まった右の足首と
比較し見比べるまでもなく腫れて
赤と青が混ざったような…どす黒い色の
足首に触れれば、ピクン!!っと動いて
逃げようとするから掴む力を強くする

『…んっ、ぁ!!』



「なっ、変な声出してんじゃねーよ!!」

『だって、ゾロが…いきなり』

「お前が逃げようとするからだろっ!?」

『…だって、痛かったんだもん』

「悪かったよ。取り敢えず応急処置だな」

左腕に巻いてたバンダナを取り
紅葉の腫れた左足首に巻き付ける。


×××…
((コレ、ゾロの大事なバンダナじゃ?!))
((あぁ、別に構わねえよ。))

 

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