いろいろ

□ACE〜B
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もの悲しげに微笑む紅葉がその時
言った言葉の意味が俺にはわからなかった

確かに随分前だったのは覚えているが、
一年も前の事じゃないはずだ。紅葉は一体何を言ってる??

「紅葉、お前…一体」



『…さてと、此処で質問です!』

「質問ッ?!何を言い出すんだよ突然!?」


『質問は1つだけ。二択だからどちらか必ず選んで?
選ばないって選択肢は与えないし、沈黙も駄目!
エースが選ばないなら私が勝手に決めて行動する』

1つ、1つ、指折りしながら付け加えてくその仕種に
何処か懐かしさを覚えながら
ただぼうっと見ているだけだった俺の額にデコピンが弾き飛ばされた


「い゛っ、てぇ…!!紅葉
俺は今自分の額を押さえる事も出来ないんだ!
少しは手加減してくれよ?!」


『これは、お仕置き』


ニカッと顔を崩して笑った紅葉が言った言葉に口許が思わず緩む

俺やルフィが言う事を聞かなかった時や
約束を破った時なんかに
紅葉はいつもそう言って俺達にデコピンをした。

能力者のルフィには普通の打撃は効かないからと
俺まで覇気を纏ったそれを食らう度に
”紅葉を怒らせちゃいけない”っと
何度も思い直したもんだった


「昔から変わらないな?いつまで経っても俺はガキ扱いなのか??」


『失礼しちゃうわ!!私がいつ子供扱いしたって言うの?!』

「今もしただろ?」


『今もって、デコピンの事?
だとしたらそれは子供扱いじゃなくて”弟扱い”よ!』

「へっ…、そりゃどっちも同じ事だろ?」

『同じじゃないわ。大きな違いよ!
大事な弟達を弟扱いするのは当たり前の事でしょう?』


言いながら、くしゃくしゃと俺の頭を撫でる
紅葉は優しく微笑み…

その手を払い除ける事が出来ないで
俯いていた俺の顎に手を添えて首を傾げる。


「なっ――ん、だよ…?」


『今この場で助けられるのと、
マリンフォードで助けられるのとどっちがいい??』

「…はぁあ?!」


『私はエースを助けに来たの。
此処で助けられるのが嫌だと言うなら、出直すわ』

 

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