いろいろ

□ACE〜A
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それから尚も足音を響かせて
海牢石の鉄格子に手を掛けた人物を見上げ

「紅葉は、俺の…姉貴だ!」


「麦わらの弟さんの他にお姉さんも居ったのか?!エースさんには」

「あぁ、って言っても紅葉とは杯を交わしてないから
”姉貴”ってのも自称みたいなもんだがな?」


こんな場所でなきゃ再会を喜びたい気持ちを
腹の底にねじ込み、鉄格子越しに紅葉と視線を合わせる


『随分な言い方ね?あの時、私の弟にもなってやるって
言ったの忘れちゃったの?』

「仕方ねぇからって前置きをした筈だぜ、俺は?」


『どんな前置きがあったにせよ、
男の二言なんてみっともないもの見たくないわね』

「そいつぁ…そうだな。」


極上の笑みを浮かべて鉄格子の穴から差し込んだ
腕を差し伸べる紅葉の呼び掛けに答えれば、
瞬時に牢の中に姿を現す

パラミシア系悪魔の実・ヨブヨブの実の能力者。
呼び掛けに応じたもの全てを思いのままに操る事が出来る


そしてもう1つ―――応じた者を瞬時に呼び寄せる事と
その逆に応じた者の所に呼び出る能力を合わせ持つ

鍵が無ければ入る事も出る事も出来ない
檻の中に姿を現せたのもその能力のお陰だ。


「あの鉄格子は海牢石で出来ているはず!?
何故、封じられる筈の能力を使えたんじゃ!?」


『うーん…それは、じいちゃんの修行のお陰ね!』

「おじいさんの?!一体どんな修行をすれば
あのような偉業を成し遂げられるというのか?」


「じじいは、まだ能力者に成り立ての紅葉に
海牢石の手錠を掛けて覇気を身に付ける修行をさせたんだ」

『感謝はするけど、当時の事はあまり思い出したくないわね…』

その場にしゃがみ込み抱えた膝の上に鼻先をくっ付けて
ため息を吐く紅葉に自然と体が動いたが
冷たく重い鎖の音が忘れ掛けてた現実を深く俺に突き立てる。


「…こんな格好悪い姿、紅葉には見られたくなかったんだけどなぁ」



『――…久し振りだね?エース』

「あぁ、前に会ったのは新世界の船の上だったか?」


『一年振りだよ。』

 

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