LAW
□浴衣で花火
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「未来、浴衣着替えに部屋に行ったんじゃなかったのか?」
『そのつもりだったんだけど、これがあったの忘れてて戻って来たの!』
「……紙縒り<こより>、か?ずいぶんと変わった形してるな?」
『花火なんだよこれ、線香花火っていうんだって!せっかくだからローも一緒にやらない?』
「せっかくだが遠慮しとく。俺は手持ち花火より打ち上げ花火の方が好きだからな」
『ふーぅん……冷たいの〜。じゃーぁ1人でやるからいいですよー』
本当の本当はローにも浴衣を着てもらって2人で線香花火がしたかったんだけど、無理だと解ってて浴衣を着てなんて言えなくて
それなら花火だけでもって(せっかく買ったんだし)誘ってみたけどそれも結構あっさり断られちゃって
フラレちゃったな〜ぁ。なんて思いながら花火を束ねる紙縒り<こより>をほどいていたら横から伸びてきた手が花火を1本抜き取ってく
『やらないんじゃなかったのロー?』
「振った覚えの無い女の口から”フラレた”なんて言われたら、やるしかないだろ?」
『うん?――ぁ…それは誘いを断られたって意味だよ?』
「どっちも同じ事だろ。それよりライターは買ってきたのか?」
『それならコックさんに何かの余りのローソクとマッチを貰ったよ!!』
夏の終わりに
『明日でこの島ともお別れだね。次の島はどんな島なのかな?』
「酒場で聞いた話しだと、早朝に船を出せば早くて3日後には春島に着くらしい」
『ひまわり畑の次はチューリップ畑が見れるんだ?楽しみ!!』
「………そんな畑はばらばらに散らして土に埋めてやる。」
『ぇえっ、何で?!』
…………)atogaki(…………
ローさんの科白の裏には”チューリップ=ユースタス屋”という考えが浮かんだからです!!
本当にあるかも解らないチューリップ畑にイライラするローさんが書きたかっただけだったりします(笑)