LAW
□×−
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『わたしも海賊なの!っと言ったらどうするの?』
「それなら海賊のルールで掻っ攫うまでだ」
『欲しい物は奪うって訳ね、実に海賊らしい考え方だわ。だったら賞金稼ぎだとしたら?』
「即戦力になるかは別として自分の身をある程度守れるんなら海賊船に乗せるのに抵抗がなくなるな」
『ふふっふ……、それなら非力な一般人なら諦めてくれるのかしら??』
上辺だけを撫でるような仕草で男と会話しながら自分は一切男に触れさせない。そんな空気を纏う女を見掛けた瞬間どくりと心臓が跳ね上がった
海賊の性か?掻っ攫いたい衝動に駆られて思わず刀を持つ手を強く握り締めた
他者―――それも見ず知らずの女から改めて己が海賊であるという事実を突き付けられて嘲笑を浮かべる
「諦めるって選択肢は初めから無いと、俺が言ったらどうする?」
『……あら、形勢逆転?その質問は狡いんじゃないかしら。断るって答えが無いんだもの』
「最初にフリーか?と聞いた時にフリーだと答えたのはお前だ」
『そうね、あの時好きな人が居るとでも答えておけばよかったのかもしれないわね』
「お前に好きな男が居るなら、そいつを殺してでも奪う」
少なくともこんな馬鹿げた押し問答じみた会話を繰り返すには充分な理由を名前も知らない女に感じたのだから......
殺し文句
そんなものを考えるのに偉く手間が掛かった。
『……悔しいけど降参するしか無さそうね?』
「俺に勝てると思ってたのか?」
『例え勝てなくても惨敗はしたくなかったのよ』
「安心しろ。負けるとは思わなかったが此処まで苦戦するとは俺も思ってなかったくらいだ」
…………)atogaki(…………
本当はもっと長いお話だったんですが大幅にカットしました。ローを書こうとするとどうもギャグになりがちなのでかいてていつも苦労します(笑)
ちなみにタイトルの【×−】は駆け引きを無理やり記号化した物です。タイトルセンスも無い自分が悲しい…(T-T)