LAW

□背中に寄り掛かる存在☆
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『なーぁに難しい顔して突っ立てるの?考え事―――その抱えてる分厚い本についてなら聞きたくないけど、悩み事なら聞いてあげられるよ?』

「……前者なら当たり前だが、後者であっても佳枝塚屋には話さない。解決するものも解決しなくなるのが目に見えてるからな」

『ひっどい言い草だね?ま、話す気が無いなら無理に聞かないけど。取り敢えず座る?』

「…ぁあ。」

芝生の上に敷かれたレジャーシートの上に寝転がってた体を起こして空けたスペースを軽く手で払った
佳枝塚屋は其処に座る様にポンポンと叩いて示す―――それに従うのは少し癪だが頷いてしまった手前今更断るのも面倒だと
レジャーシートに腰を下ろした、その途端背中に感じた重みに(案の定)佳枝塚屋が凭れ掛かって来たかとため息を吐く

『寝たらごめんね?』

「ふざけるな。本当に寝たら振り払ってレジャーシートに包んで置いてくぞ!」

『報復の仕方が具体的過ぎて眠気も吹き飛んだよ。一応お礼を言うべき?』

「知るか。それより俺に何か用があったんじゃないのか?」

『あたしが?!ローに用事?無いよそんなもの!だいたい目の前に突っ立てたのはローなんだし用事があったのはローの方なんじゃないの??』

「無い。俺がお前に用事があると本気で思ってるのか?」

『じゃー何で”立ち尽くして”まであたしの事見てたのさ?』

大学の校舎近くの芝生にわざわざレジャーシートを持ち込んでまで寝転がってる奴(それも顔見知りの女)が居れば
誰だって足を止めて視線を向けるだろう。と、そう言って2度目のため息を吐けば
けらけらと笑い声をあげる佳枝塚屋が『それもそっか!』っとぐりぐり背中に頭を押し付けてくる

「………止めろ」

『んぁ、ゴメン痛かった?』

「地味にな。――用事が無いなら俺が長居する事も無いな」

『あー、待って!!早急に用事を作るからちょっと待って!!』

「何をいってt」

一緒に居るのに”用事”が必要なら作ればいいって事よ!そうでしょう?

「曲解だな」
『そうかな?あ、でも少しは長居する気にはなったでしょう?』
「少し先延ばしにするだけの効果はあるかもな?長居するかは”内容”次第だ。」




…………)atogaki(…………
恋一歩手前な空気感って好きなんですが、それを上手くかけてるかは……謎です。

 

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