LAW

□ふわふわ風船
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人工的に作られた幅の広い水路に面して木を敷き詰めた遊歩道が広がる高台の先端。
丁度船の”船首”の様に作られたその場所から手摺りに寄り掛かって、下にも広がる遊歩道に向かって手を振ってる未来を見付けて
ゆったりとした足取りはそのままに浮かんだ疑問に軽く頭を傾げる――――……

「……未来」

『あ、ロー!!まだ待ち合わせの10分前なのに早いね?』

「俺よりも早く来てた奴に「早い」と言われても説得力が無いな。それよりも”誰に”手を振ってたんだ?」

『へ…!?ぁ、アレを見てたの??やだなー恥ずかしい』

「知り合いがいた…って訳じゃなさそうだな」

『オレンジのツナギを着た着ぐるみに手を振ってたの』

「―――”オレンジのツナギ”?」

そう言って本当に恥ずかしそうに前髪を耳に掛ける未来を尻目に、さっきまで未来が見ていた方向へと視線を落とせば
確かにオレンジのツナギを着た愛らしい顔の白くま(の着ぐるみ)が片手に沢山の風船を持って愛想を振り撒いてる

その隣には白いツナギを着た見覚えのある帽子の男がこっちを見て笑った気がした。

『ロー、また目つき悪くなってるよ?見えないなら眼鏡掛けたらいのに』

「必要ない。このままで何も不自由してないからな…それに、t」

『見えなくていい事もある。――でしょう?もう覚えちゃったよ!でもそれって例えばどんな事??』

「……―――そうだな”例えば”、着ぐるみの隣にいる男の顔(表情)なんかの事だ。」

『そう言われて見ると…、あの人ローを見て笑ってる気がするけど――知り合い?』

「やっぱり”笑ってる”のか。……未来、お前あの風船欲しいんだろう?貰いに行くぞ」

『ぅ゛……欲しいけど、あれって”子供”にしかくれないんじゃない??』


紹介(したくないが…)すれば「くれ」と言わなくてもくれるはずだ。

『ちょっと待ってロー、あの男の人と知り合いなの??』
「ぁあ。たぶん着ぐるみの”内臓”も知り合いのはずだ」
『……”着ぐるみの内臓”って、何か嫌な響きだね…。』




…………)atogaki(…………
ふわふわ浮くガス入りの風船はこの年になっても欲しいなぁ…とか思います。
でも、無料で配ってるのを見掛けても貰いに行く勇気は流石にありません――――……

イルカとかクジラの形したのとか可愛いですよね?今なら白いクジラが欲しいです!!(モビーと名づけて可愛がりたい。)

 

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