KID
□やさぐれ赤鼻のトナカイ★
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「HAPPY Merry ]’mas!生クリームとチョコレートどちらにしますか?」
『ぁ、えっと……ゴメンなさい!!わたしケーキを買いに来た訳じゃなくて…』
「……客じゃない?なら迷子か待ち合わせか?」
『どちらでもありません。2日前に此処でサンタクロースをしてた人に用事があって…それで、』
「2日前…、キッドがバイトしてた時だな。キッドの知り合いか?」
『キッドさんって言うんですか?あの赤い髪の人??―――あの時お借りした帽子を返しに来たんです』
「借りたって、サンタクロースの帽子をか?!」
『耳が冷えるからって、あの日お借りしたんです。すみませんお困りでしたよね?すぐに返しに来ようとは思ってんですけど』
諸々の事情で外を出歩く気分になれなくてクリスマスの今日まで借りたままだった帽子のはいった紙袋を金髪のサンタクロースさんに渡す
あの日と同じ時間に来ればまた会えるなんて考えが甘かったかな……?
そう思って帰ろうとしたら上着のポケットから携帯を取り出した金髪のサンタクロースさんが電話を掛け出して
「――…済まない。今キッドに電話をしたんだが気付かないみたいだ」
『そうですか、わざわざすみません。お店の物でしょうからこれはお返ししますね』
「この後何か用事があるのか?無ければ此処で少し店番をしていて欲しいんだが?」
『えっ、ぁ……それは構いませんけど、わたしでいいんですか??』
「あぁ、構わない20分ほどで戻る。店には俺から言っとくからこの上着だけでも着ていてくれ」
聖夜の夜
『ふふっ、これでわたしもサンタクロースになれましたかね?』
「…ぁあ、今のキッドには丁度いいかもな。」
『え?』
「いや。何でもない―――ムリして売ろうとしなくてもいい、此処に立って客が来たら接客してくれ」
『はい、わかりました。気をつけて行ってくださいね』
…………)atogaki(…………
1話短編で終わったはずが、何と無く続編を書いてしまいました(笑)
この後もう1つだけ書いて終わりにしたいですね。あんまり長々書くと何を書きたいのか自分でも判らなくなるので(- -;)