KID

□赤髪のウェイターと赤面のウェイトレス☆
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『あー…、疲れたーぁ……』

「……おい、足開いて座んなよ?」

『わーかってるよ、だからちゃんと閉じてるでしょー今は。』

「何が”今は”だ。やる気満々なんじゃねぇか!」

『気をつけマス!!って意味を込めてるんだよーぉ』

いくら売り上げの儲けが打ち上げの足しにしていいからって目先の欲に釣られて
喫茶店をやろうなんて考えがそもそも甘っちょろいんだよ!

ほとんど立ちっぱなしだったと言ってもいいくらいの時間を振り返り、どかりと座ったベンチから見上げたキッドの顔は逆光で見えなかった。
まーぁ…見えなかった方がいいんだけどね(きっと般若みたいな顔してるから)。

「気をつけるんじゃなく行動にしろって、いつも言ってんだろ!」

『うィー…』

「ったく、オラよ!!」

『ぅわーぁ、ありがと!!喉渇いてたんだ〜ぁ!!』

差し出された缶ジュースを伸ばした両手で受け取ってその冷たさに『キッド大すき!』と付け足してプルタブを押し開ける
何かに小さく舌打ちをしたキッドは(わたしが言えた事じゃないが)乱暴に隣に座る

『――……あー、やっぱ着替えてくんだったかなー』

「…ぁあ゛?!面倒くせぇだろ。打ち上げもこの格好だってんだから」

『そりゃーそうなんだけど…、何かさっきから視線がブスブス刺さるんだよね〜』

「…ハッ、自分で言ってて悲しくねぇのか千鶴?」

『”ブス”違いだよ!ま、それも知ってるけどね?』

不意に隣に座るキッドに視線を向ければ、普段はバンダナで逆立ってる髪も下ろされカチューシャで押さえられてて
服装もウェイター服だしオプションで缶コーヒーに煙草のコンボ技!(普段もカッコいいのに)―――カッコよさ倍増だ!!

ちなみにわたしもウェイトレス姿なのだが……こらがまた似合わな過ぎて。初めて着た時に姿見に映った自分を見て爆笑してしまった程だ

さながら今のわたしはキッドのいい引立て役だろう。

「……何人の顔見てため息吐いてんだてめぇは?」

『いやー、キッドがカッコいいな〜ぁっと思って!…で、ィった〜ぁあ!!』

「んっな今更な事に惚れ直してんじゃねぇよ!」

『バカか?――直すとこなんか何もねーくらい、もう惚れてるよ!釣り合わないのが申し訳ないデス。』

「ったく、てめぇは!」

『んー??』

「……いつまで経っても過小評価しやがるな」

何の魅力も感じねぇ女と付き合う程俺はお人好しでもバカでもねぇんだよ!

『ひィ、い゛…ギ?!!』
「何語だよ。……自分では言うくせに言われんのは恥ずかしいってか?」
『ぅ…う、るっせーなー!!だから歯の浮く様な事言う奴は嫌いだって言っただろ!!』
「あー……くくっく、あれは”恥ずかしいから嫌だ”って意味だったんだな?」




…………)atogaki(…………
何の魅力も感じねぇ女と付き合う程俺はお人好しでもバカでもねぇんだよ!この科白を言わせたいが為に(笑)
後は文化祭で仕方なくウェイター服を着てるキッドが書きたかっただけ

 

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