KID

□ランチにしましょ!!★
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いつもなら昼飯を買いに行くキラー達を尻目にそそくさと車に乗り込んで持って来た弁当を広げる所だが…

「どうしたキッド?」

「昼飯買いに行くんだよ。」

「珍しいなキッドが昼休みにコンビニ行くなんて。今日は弁当持って来てないのか?」

「……ぁあ。」

毎日仕事のある日は欠かさずどんなに朝が早くても俺より早く起きて弁当を作って持たせてくれる。

それだけじゃなく味噌汁から何から作って朝食を用意してくれたり
それが食えない時は車を運転しながらでも食える様にとお握りを作ってくれたりもする――今日だって用意してくれてたのに
寝過ごした俺は少しばかり慌ててて弁当を持って出るのを忘れてしまった

今更悔やんでも仕方の無い事だが、あいつの作った弁当が無い。コンビニの弁当。食う気にも買う気にもなれない事にため息を吐き捨てた

「……おい、キッド」

「ぁあ゛?!」

「あそこに居るの千鶴じゃないか?」

キラーの言葉に何処だよと同じ方向に視線を向ければ、肩に掛けたバックを大事そうに片手で抱えて
右手に掴んだ携帯を忙しなく見てる千鶴の姿が道路の向こう側に見える。時折視線を上げるが携帯が気になるのか俺の事は見えてない様だ

「待ち合わせでもしてたのか?」

「いや、した覚えがねぇ」

此処からでも充分に声は届くだろうがわざわざポケットから携帯を取り出して履歴の一番上にある番号に電話を掛ける
3コール目で出た千鶴の嬉しそうな声に自然と吊り上った口で「目の前」と告げる
ふぅぇとかふぉわとか……兎に角何て発音したのか解らない声に、いいから前を見ろと言えば首を傾げながら顔を上げた千鶴がやっと俺に気付いた

『《ぁ、おーい!!》』

二重音声で聞こえて来る声に零した声が千鶴に聞こえたか知らないが隣に居たキラーには確かに聞こえていた様で

「違いない。――だが、千鶴のそうゆうと所も込みで惚れてるんだろう?」

「……ハッ、解りきった事聞くんじゃねぇよ!」

「そうだな愚問だった。ちゃんと戻って来いよ」

それこそ解りきってる事を要らぬ忠告めいた言葉を背中で聞き返事代わりに片手を振って返し千鶴元へ足を進めた

一緒にランチ食べませんか?

「悪いな、わざわざ届けてくれたのか?」
『お弁当無いと困るでしょ?放って置いたら”一食くらい”ってキッド食べなさそうだし!』




…………)atogaki(…………
鳶職人さんが仕事してる姿を見ていて”大きなジャングルジムで遊ぶ大きな子供”に見えて
此処にキッドが居たら楽しげにひょいひょい高い所を歩いてそうだな〜と実に痛い妄想をしたのは私です(自首)。

→ささやかなオマケ...

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