KID

□相談相手は恋する貴方☆
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『なーぁ、キッド?』

「………」

『おーい、聞いてんのかよ?』

「…………」

『もしもし、もっしもーし??』

「あ゛ーッ、うるせぇ!!とっとと用件を言え!」

『相槌が無いと喋り難くて仕方ないだろ?』

「……なんだよ」

『すっげー、見事なまでの棒読みだな?』

「3秒で言わねぇと2度と聞かねぇ。」

『キッドは『好きなヤツ』が出来たら何する?』

「あ゛…?!」

こいつの話には脈絡も無ければ、突拍子も無いってぇのは最近になってようやく掴みかけてきた事だが―――

今日のは殊更に突拍子の無い話で見ていたバイク雑誌から視線を外して目の前に居る千鶴に向ければ
スカートの裾を床に垂らして膝を抱える様にしゃがみ込んでて……
んっな座り方したらパンツ見えるかもしれないとか考えないのか?とか聞かれた事とは別の事を考えてたら

凭れてたフェンスが耳元でガシャン…!!と揺り鳴いた。

『…なぁ、おい――聞いてるんだから答えろよ?』

「お前なぁ…ちょっとは女らしくしたらどうなんだよ。つーぅか、そんな事聞く為にわざわざ屋上まで来たのか千鶴?」

『教室に居たトラファルガーに聞いたら『そうゆうのはユースタス屋に聞けって』言われたからな?』

―――――取り敢えず、厄介ごとを俺に押し付けたトラファルガーの野郎は後でぶん殴るとして。
今は目の前に居るこいつを何とかしないと(しつっこく)付き纏われんのは目に見えてる

「好きな奴が出来たら…―――キスすんじゃねぇか?」

『キスすんのかよ!?』

「いきなりセックスからする馬鹿(も中には居るだろう)が居るんなら実際に会ってみてぇよ。」

『ぁー…取り敢えず”キス”から手順を踏むってやつか?』

「ぁあ。……んで、それを聞いてどうするつもりだ千鶴?」


ちょっと、参考までに…

--そう言ったかと思うと、(もともと近かった)顔の距離がゼロになってむず痒いリップノイズが耳にやたらと響いた。--

『―――…って、事でキッド『返事』聞かせてくれ!』
「……何が「って事で」だ!?ふざけた事してんじゃねぇぞ馬鹿女!!」
『何で怒ってんだよ?キッドが言ったんだろ『取り敢えず”キス”から手順踏む』って…』
「片思いの場合は”告白”が先だろ!」
『はっ…!?そうのなか?だったら何で”そう”教えてくれないんだよ??』
「お前が紛らわしい聞き方するからだろーが!!」




…………)atogaki(…………
”好きなヤツ”×(キッド→「恋人」)+(千鶴→『片思い』)=勘違い!!の出来上がりです
勿論、ローは千鶴さんの”好きな相手”が誰なのか知ってます。

それにしてもウチの子達はなかなか名前を呼びませんね……恥ずかしがりやさんなんでしょうか?!

 

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