KID

□素人×玄人
1ページ/1ページ


花屋の店内から店先のスペースへ
チューリップがわんさかと
生けられたバケットを運んでたら

店の目の前を横切ってく
人物に目を奪われた――――…


『うっわー、歩くチューリップだ!!』


そんな事を自分が口走っていた事に
気が付いたのは、私の言葉に反応した
男の人が眼光鋭い睨みを向けた直後だ。

”あ、ヤバい。これは死んだかも”

何て、長いのか短いのか判らない
自分の人生に死を予感したのもこの時。


「殴ってもかまわねーよな?」

「俺が止めた所で、お前が言う事を
聞くとは思えないんだがな…キッド?」


『…ぁの、そこは是非止めて下さい。』

止めに入ったら――止まる、止まらない
とかそんな事はどうでもよくって
止めてくれる事に重点を置きましょう??
そこは、ね?―――人として!!

なんて、そんな大それた事
決して言いません!!ってか言えません!


だってさ、だってさ、よく見てよ?!
ゴーグルで止められた逆立てられた髪が
綺麗な真っ赤で、何処からどう見ても
立派なチューリップ…――じゃなくて!!

何人か殺してらっしゃいますよね?
なんてレベルじゃないよ!?
何人も殺してこられましてますよね!?
って感じだよッ!!


「その通りだな」

『…へっ、』

「違いない。何人殺したかなんて
いちいち数えてないがな」

『ぇ、エスパー?!』


「自分でベラベラ喋ってただろうが!!」

「ひょっとして、気付いてないのか?」

『え…ぁ、嘘ッ!!
私、今の全部口に出してたんですか!?』

「お前、本物のバカだな。」

『そうハッキリ言われると傷付きます』


×××…
((ハッ、嘘吐け!!))
((違いない))
((あ、今のは本当に傷付きましたよ!))

 

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ