MARCO

□むしろ…好きだ★
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「ほら、しっかり立てよい!そんなにしがみ付かれたら鍵が取れないだろい?」

『や〜ぁですねー、ちゃんと立ってるじゃないですかぁ?それに鍵ならあたしのカバンに入ってますよ〜??』

「何処がちゃんと立ってるんだよい?お前の部屋の鍵で開くわけねェだろい、此処は俺の家なんだから!」

『…ふぇ…?!雛姫ちゃん貞操の危機!?』

「頼まれりゃ別だが俺から襲ったりしねェよい!バカ言ってないでさっさと入れ。それとも玄関先で野宿するかい?」

『お邪魔しま〜ぁす!!』

「よいよい――礼儀正しいのは結構だが声がでけーェ、近所迷惑だよい」

ふらふらと危なっかしい足取りで玄関に入ったかと思うと床に手を突いてヒールを片方ずつ脱ぎ出す女に痛む頭を押さえてため息を吐く

『部長ーぉ、立てないのでこのままハイハイしてもいいですか〜?』

「……ぁあ、もー好きにしろよい。リビングは突き当たりのドア向こうだ」

『は〜い!!あ、部長も早く来て下さいね?暗いの怖いんで電気つけて下さい!』

「こうなると敬称はただの呼び名だねい…。俺はお前の執事じゃねェはずなんだがな?」

中途採用の新人歓迎会なんてそもそも乗り気じゃなかったおれの隣にこいつが座ったのがそもそもの始まり。
酔っ払って自分1人じゃ右も左も、下手すりゃ上下さえも判らなくなった女子社員を連れて帰って来たのは
善からぬ下心ありきの”お持ち帰り”なんてもんじゃなく、連れて帰ってちゃんと看病してやれよ!なんて言い出した馬鹿の所為だ

『ひゃーぁ…ッ!!部長ぉ、助けて下さい!』

「あー、解った解った!ちょっと待ってろい!!」

最後は親父までそれに便乗して引きに引けなくなって連れて帰ってくれば―――この様だ!!
今にも泣き出しそうな声出すから急いで電気をつけてやれば、喉が渇きましたなんていうから冷蔵庫に向かい
お次は助けて下さい!なんて口にする。まったくいい度胸してると冷蔵庫のドアを乱暴に閉めてペットボトル片手にリビングに戻ってくれば
ストッキングの爪先をぐいーっと引っ張って脱ごうとしてて……当然の如くたくし上がったスカートから
ちらりと見える生足に思わず釘付けになりそうな目を片手で塞ぐ

『ストッキングがどうしても脱げないんです!!もーぉ、これどうしたらいいんですか??』

「どうやって助けろってんだよい。まさか俺に脱がせてくt」

『脱がせて下さい!』

「―――……ひょっとして俺は今、」

誘惑されてんのかよい?

「―――って事があったんだが、覚えてる訳無いよない。」
『……覚えてます』
「だよない、覚えてる訳がt!?」
『全部覚えてます。酔うと見境が無くなるんですけど…記憶は残ってるんです』
「そいつぁ性質悪過ぎだろい?!――そんなら、俺が昨日言った事も全部覚えてんのかい?」
『――ハイ。』
「そこで赤くなられると俺が恥ずかしくなるだろうよい!!」




…………)atogaki(…………
思い付きでぶわーっと書き上げたので後で自分で読み返して相当へこみましたが載せちゃいます!!
ちなみに、マルコが最後に言った言葉はタイトルにもなってる言葉です
何があってそう言ったのかは読んでくださった雛姫様に(丸投げ)お任せします。

 

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