MARCO
□ランチボックス
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「折角上陸したってェのに、こんなところで読書とは年頃の娘としてどうなんだろうねい?」
『必要な物ならとっくに買ってるから後は暇潰しするだけなの。何をしてるのも自由でしょう?』
「そらそーだけどねい―――どっこらせ…っと、それにしたって海なら毎日見てるのいわざわざこんな高台で見下ろす意味があんのかよい?」
『マルコじじくさい。』
「おっさんなんだから仕方ねェな!」
草っ原に寝転がって本を読んでる雛姫の脇に腰を下ろし華奢な背中の向こう側に片手を突いて覗き込む
どんな話しを読んでるのかと思って見開きの活字に滑らせていた視線が”phoenix”の文字を捉えて止まる――――
「……何を熱心に読んでるのかと思えば…」
『何を読もうと私の勝手でしょ!覗き見しないでよねマルコのスケベ』
「まったく口の悪い餓鬼だよい!せっかく持って来てやったがそんな事言うやつはおあずけにしようかねい?」
『持って来たって何を??』
「サッチ特製ミートスパゲティハンバーガー。どうせ本読む事ばっかり考えてて昼飯の事なんて忘れt」
一人分しか入ってないと言われて持たされたが、とても雛姫の分しか入ってないとは思えない大きさのバスケットを見せびらかす様に持ち上げれば
まだ言い終わらないうちに飛び付いて来た雛姫の頭突きを脇腹に喰らい遮られた言葉が咳きに取って代わる
『マルコありがとう!!』
「…っ……たく、雛姫は現金だねい」
大ッ好きだ!!
「よいよい、これがお前の大好物だって事は家族全員知ってるよい」
『わたしマルコも好きだよ?親父の次にね!』
「そうかい。そりゃぁどうも」
『でも兄弟の中ではマルコが一番好きだよ?いただきます!!』
「……そいつぁ、嬉しいねい」
…………)atogaki(…………
海の見える高台の草っ原で寝転がって沖に停泊してるモビーを見下ろしたい!!
というか先日そんな夢を見たのでそれを種にしてみました(笑)実際に見た夢ではマルコどころか自分以外誰も居ませんでしたけどね?