MARCO
□It is a contrary rather.
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「……―――豆を引く所から始めてコーヒーを淹れるなんて随分手間の掛かる事してるねい?」
『あ…マルコさん!まだ休んでてもよかったのに、もう起きて平気なの?』
「本音を言えばまだ寝ていたかったんだけどよい」
此処んとこ仕事が立て込んでた所為もあってろくすっぽ寝てなかったのが祟ってかベッドに潜り込んでからの記憶が無い
ただ覚えてるのは夢うつつに微笑んでいた雛姫の顔だけ。何かを言っていた様にも思えるが口唇が動いていたのかすらも定かじゃない
『ゴメンなさい。もしかして、わたしが煩くしたから起きちゃった?』
「いや、でも……まぁ、雛姫の所為ってのは強ち否定できねェない。」
どうやら苦戦してるらしい雛姫の両手に自分の両手を同じ様に重ねて、ミルのハンドルを回せばがりごりと豆が潰れてコーヒーのいい香りが鼻をくすぐる。
『豆を引くの後にすればよかった……そうすればマルコさんを起こしちゃう事もなかったのに』
「雛姫は何でわざわざ豆から引いてまでコーヒーを淹れようと思ったんだい?」
『マルコさん前に引き立てのコーヒーの香りが好きだって言ってたから、少しは疲れも吹き飛んでくれるかなって……でもその所為で起こしちゃうなんて…』
「あぁ、不意に目が覚めたら雛姫が居なかったんだ。お陰で眠気も一瞬で吹き飛んじまったよい!」
そう言って耳朶に戯れのキスをすれば小さな悲鳴をあげた雛姫が肩を跳ね上げて俯く
隠してるつもりなのかもしれないが、隠し切れてない耳や頬、首筋なんかがほんのりと赤く色付いてるのが垣間見えてくつりと喉を鳴らす
『―――お仕事で、疲れてるマルコさんに……わたしなりに気を使ったつもりなんだけど、失敗………しちゃった?』
「雛姫の心使いは嬉しいけどよい、それじゃぁ逆効果だよい!」
むしろ逆っ!!
『どうゆう事?』
「雛姫が側に居ないと安心して眠れねェんだよい―――って言やぁ解りやすいかねい?」
『へ、ぁ…う〜〜っと……』
…………)atogaki(…………
カッコ悪いと思われがちな男の弱音もマルコにかかれば可愛い彼女と戯れる為の手段でしか無いと思われます!
マルコの職業は基本的にはサラリーマンで人事部か企画部あたりで敏腕ぶりを振るってる事を希望(笑)