MARCO

□さくら
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「……雛姫…?――眠っちまってるのかよい?」

薄ピンク色の桜とそれ越しに見える青空をバックに穏やかな寝顔を見て柄にも無く優しい気持ちに満たされる
海賊の俺が”優しい”なんて一体どの面下げて吐かすのかと嘲笑もするが……
花弁を纏った風がウェーブ掛かった雛姫の髪を揺らし、擽ったそうに身動いで眠りから覚めた雛姫と目が合ったらそんな事どうでもよくなった。

「起こしちまったかい?」

『いえ…』

「すっかり眠っちまったみたいで、悪かったよい」

『私の方こそゴメンなさい。少ししたら起こそうと思ってたのに寝ちゃいました』

「雛姫が謝る事はねェだろい?」

『硬い地面で寝て、体を痛くしてませんか?』

「…ぁあ、そうゆう事かい――俺ァこの通り何ともねェよい!」

身軽に立ち上がって見せれば何処か安心した様子で微笑んだ雛姫はそれならよかったと言って、そっと目を細める

「俺よりも雛姫の方はどうなんだい?ずっと膝枕してたんじゃ足が痺れてんじゃねェのかよい?」

『……マルコさんには何でもお見通しなんですね?実は少し痺れてます』

「悪かったねい――それと「ありがとう」だよい」

手近にあった枝から手折った一輪の桜を耳に掛けた髪に挿せば大きな目を瞬かせて、「ありがとうございます」とハニカンだ

桜色に色付いた微笑み

『ぁ…、(お揃いになった)』
「ん、どうかしたのかよい?(桜ん坊みたいで可愛いねい)」
『ぃえ、たいした事じゃないんです(どうしよう、寝てる間にマルコさんの髪に桜を挿した、なんて言えない)…』
「……雛姫には桜も似合うねい?(デザートにして食っちまいたいなんて俺はどうかしてるよい)」
『ぅ゛……(マルコさんも似合ってます!!とか言えない――正直に言って怒られたらどうしよう?!)』




…………)atogaki(…………
かみ合ってる様でかみ合ってないちょっとズレた二人の思考回路!(笑)ほのぼのな話しは書いてて楽しい!!
この後サッチにからかわれて激怒するマルコに平謝りを繰り返す雛姫様を見て怒るに怒れなくなったマルコが居たとか居なかったとか―――

でも、しっかり影でサッチに報復したでしょうね。だって家のマルコはヒロインちゃんの前では”猫(被り)紳士”ですから(笑)

 

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