MARCO

□優しい、大人☆
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『あのね〜…マルコはねぇ、』

「あ゛ー…うるせぇ!!俺はてめぇの男の話しを聞く為に居るんじゃねーんだよ!!」

『うるしゃい!!いーいから、だまってきけぇい!』

「うるせぇのも黙るのもてめぇの方だ!」

高校の同窓会に行った雛姫からの電話に時計に視線を向け言いつけ通り天辺を跨がないで掛かって来たそれに出ると
電話口に聞こえてきたのは男の不機嫌な声で一瞬口籠った俺を無視する様にその男は
今居る場所と「てめぇの女迎えに来い」とだけ言って(勝手に)一方的に電話を切った―――……

誰なんだとは思ったものの同窓会だと言っていたし、疑っても無いのに葉書までご丁寧に見せられたのだ
電話の相手は雛姫の高校時代の友人。それも俺の事を話す程仲のいい相手なんだろう

となるとその男は必然的に雛姫と同い年で、雛姫と同じく一回り以上下の奴に”てめぇ”呼ばわりされたのかと思うと少しばかり腹立たしくも思った。

それでも言われた場所に来てみれば地べたに座って男の背中にしな垂れ掛かってる雛姫の楽しそうな姿がすぐに目に付いて
同時に赤い髪を逆立てた男の姿も目に付く―――少し距離がある所為か会話の内容までは聞こえてこないが
時折楽しそうな雛姫の笑い声と男の苛々してる舌打ちだけははっきりと聞き取る事が出来る

『―――だから、マルコは優しくて、大人で……』

「人の話し聞いてんのか?!黙らねぇと黙らせるぞ!」

「……そいつァ、聞き捨てならねェ科白だない?――それに”人の話し”を聞いてなかったのはどっちだよい?」

「……ぁあ゛!?」

『あ〜!!マルコだ〜ぁ!!』

ふらりと立ち上がった割にはしっかりとジャンプして抱き付いてきた雛姫の腰に片腕を回して支えてやれば
お迎えありがとっと囁いた耳に口付けをして頬擦りしてた首筋にも噛み付いてくる

場所からいってワイシャツの襟には隠れないその場所に赤い痕が付いただろう事を確信しつつ男に視線を向ければ目が合った

「……へーぇ…、あんたが”優しくて大人”のマルコか」

「てめぇの次はあんたかい。つくづく言葉遣いを知らねェ餓鬼だよい」

「こっちは”面倒な酔っ払い”をわざわざ保護しててやったんだ、礼を言われてもいいくらいだろ?」

鮮やかにほくそえんで去って行く後姿に「またね〜!!」と呑気に手を振る雛姫はいつもよりテンションが高い
その声に立ち止まって振り返った男は雛姫じゃなく俺を見据えて数秒の後ニヤリと笑った。

「俺が言葉遣いを知らない餓鬼なら、その俺と同い年の餓鬼と付き合ってるてめぇは”ロリコン”だな!」

腹に据え兼ねる言動も縮まらない年の差を充分に感じてるから返す言葉も見付からない……
結局はため息を吐く事でやり場の無い気持ちをやり過ごすしか選択肢は無い

本当に言葉遣いの悪い餓鬼だよい……。

『マルコ〜、あたしマルコがロリコンでよかった!じゃなかったら付き合えなかったでしょ?』
「……とびっきりの笑顔で抉るたァ、とんでもねェない。」
『マルコ大好き!!』
「よいよい、俺も大好きだよい」




…………)atogaki(…………
家に帰るまでの道中、車を運転しながら「どう鳴かせて躾ようか?」と腹黒い事ばかり考えていただろうマルコ
帰り着くまでに寝落ちしてた雛姫様にマルコは生殺しというのがnoraの希望ですが
好き勝手にマルコに愛されて寝不足でもいいかもしれません。………ご想像にお任せいたします(笑)

 

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