MARCO
□せきららな恋文
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『夜ご飯食べ終わったばかりなのに、マルコはまた仕事してるの?』
「……気配を消すのが上手くなったんじゃねェのかい雛姫?」
『マルコがあたしの気配を解らなくなっちゃったんじゃない?』
「そんな事ある筈がねェだろい!」
いつの間にか部屋に入って来て、背中に抱き付いて胸の前で緩く交差された腕に手を添えて
書類を取ろうとした手で覗き込む雛姫の頭を撫でて引き寄せる―――……
『マルコ??』
「もっとも、安心しきって”慣れちまった”ってェんなら話しは別だけどよい?」
『…はっ、はずかしぃセリフだね』
大きく見開いた目を瞬かせる雛姫が照れくさそうにハニカんで小首を傾げるより先に色付いた頬に口付ける
途端に茹蛸の様に顔を真っ赤にするもんだから喉でくつくつと笑ってわざとらしく冗談めかしに耳元で囁く
「……―――あんま可愛い顔してっと”デザート”に食っちまうよい?」
『仕事、まだ残ってるんでしょう?ガンバって!!』
「………よい。」
逃げ口上までも上手くなった雛姫に催促されてメモ帳替わりに取ってあった書き損じの紙とペンを貸してからどれくらい経っただろうか?
「ちょっと数えたい事ってェのは―――こうゆう事だったのかい。」
部屋の床に敷き広げたシーツの上でペンを握ったまま眠った雛姫をベッドに寝かせて
文字の最後がぐにゃぐにゃとのたくった書き損じの紙の裏に目を走らせて思わず覆った手の平の中にため息を吐く
「大好きなマルコ……」
・寝起きの笑顔
・掠れた声
・ぎゅ〜うでチュッ!!
・撫でてくれる大きな手
・手招き
・手繋ぎ
大半が”手”じゃねェかよい。
「――…取り敢えず、明日起きたら上から全部やってやるよい」
…………)atogaki(…………
意識してやってた訳じゃない事を”大好きなところ”として数えられたら、いくらオッサンのマルコでも赤くなる筈!!
そしてnoraはそんなオッサンのマルコが大好きです!(笑)