MARCO
□illumination★
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「そんな薄着で来るなんて、雛姫には危機感が無いのかよい?」
『だーぁいじょうぶだよ!ちゃんと薄手の長袖着て来てるし。あたしよりマルコの方が風邪引いちゃうよ?』
「……(そうゆう意味で言ったんじゃない!って言ったところで雛姫には通じないだろうねい。)そんなに軟じゃねェよい」
『あ、そうだいい事思い付いた!マルコここに座って!!』
「俺は悪い予感がしてならねェよい。」
『いーから、いいから、ほら座って!!』
今から行ってもいい?なんてメールが雛姫から届いたのは仕事から帰って来てすぐの事で
鍵は開けておくから好きにしてていいと返信をして手早くシャワーを済ませるとつけっぱなしにしてた筈の部屋の明かりが消えていて
もしかしたらと、覗き込んだベランダで空を見上げてる雛姫の姿があった。
「飲み物持参で来たのかよい?用意周到なこったよい」
『しっつれいな言い方だねーぇ?明日は久し振りの丸1日休みだって言ってたから”貢ぎ物”として持って来たのに〜ぃ!!』
「そうだったのかい、そりゃ有り難いねい……ワインにシャンパンとは洒落た貢ぎ物だよ!」
『あー、う・ご・か・な・い!!それを飲むのは髪の毛をちゃんと乾かした後だよ?』
「よーいよい!――ちゃっちゃと済ましてくれよい?焦らされんのは好きじゃねェからよい」
半ば無理やり(腕を引かれて)座らされた椅子とセットの丸テーブルの上にワインを戻して背凭れに背中を預けながら
そんな事を言って雛姫を振り仰げば、くすくす笑って『デザートをオアズケされた子供みたい』だと言うから
勢い良く背凭れから離れて目の前にある小さな身体に抱き付いてみれば『うひゃひゃ』と擽ったそうに身動ぐ……
「―――早いとこ拭き終わらせねェと、雛姫の服をタオルにしちまうよい?」
『いくらタオル地のパーカーでも、それはやっちゃダメでしょう!!』
「そんなら、てきぱき手を動かせよい。」
変な笑い方で誤魔化したつもりでも、赤く染まった顔までは隠せやしない。
「(ちょっとした悪戯心がとんだ結果になったもんだよい。)……生殺しの自殺行為だよい。」
『そんなに飲みたいワインだったなんて、ナイスチョイスしたねあたし!』
「ぁあ、そうだねい―――うっかり”味見”しそうだったよい」
…………)atogaki(…………
抱き付いて赤面させようと思ったはずが、その顔を見て逆に自分の首を絞める事になった哀れなマルコ(笑)
補足として、マルコは雛姫様が好きだけど”年の差”に躊躇して想いを口にしていないのに行動は制御出来てない未熟者です!!
マルコの言った「味見」は”オトナ”の意味合いでの味見です