MARCO
□雨宿りの木下で
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『貴方”トリトリの実”の能力者なんだね?―――それも綺麗な青い色の鳥だなんて素敵!』
「止めてくれよい。俺ァ海賊だよい?」
『海賊?』
「ぁあ、ちょっとは名の売れた海賊なんだけどねい……このマークに見覚えはねェかよい?」
『変わったマークだね……それって刺青?触らせてもらってもいい??』
「ぁあ。構わねェよい」
突然降り出した雨を避けようと不時着した森で潜り込んだ木陰で、何の気配も感じなかった頭上から声を掛けられ
少しばかり焦ったのを得意のポーカーフェイスの下に隠して見上げた先。太い枝の一番高い場所に腰を掛けていた女と目が合った
前のめりの危な気な体勢で覗き込んでた女はひらりと枝から飛び降りて身軽に着地して見せると
胸の刺青をなぞる様に―――ゆるり、ゆるりと指先を肌に滑らせながら徐に首を傾げる
「、……―――刺青を見るのは初めてかよい?」
『こうして触るのは初めて。それにこのマーク…どこかで見た事がある気がするんだけど』
「こいつァ…白ひげ海賊団のマークだよい」
『それじゃあ、もしかして貴方が”不死鳥のマルコ”?』
「へーェ…、俺の事も知ってんのかよい?それは光栄だねい」
『もちろん、同じ”トリトリの実”の能力者の中で一番に名前があがる有名人だもん!!』
おどけて笑った女は自己紹介がまだだったね?と前置きをして雛姫だと名乗ると「ほらね?」とも付け足して刺青に触れていた方の手を鳥の翼に変えて見せた
「珍しい偶然もあったもんだよい。雨宿りに入った木陰で”珍しい”能力者同士が会うなんてねい」
『ぁ、ゴメンなさい!!それもあたしの所為なの……』
「うん?それってェのは何の事だよい?」
『さっき飛んじゃったから。―――わたしが羽撃くと雨が降るの』
雨を呼ぶ鳥ってェと……孔雀だったかよい?
『そう”トリトリの実”モデル・ピーカック!!それがわたしの食べた実の名前だよ!』
「……ピーカック?!”ピーヘン”じゃないのかよい?」
『私自身はそうなんだけど、尾に飾り羽根があるし”ピーカック”だよ?』
…………)atogaki(…………
ピーカックは雄で、ピーヘンは雌です!!
おぼろげな記憶をPCで調べて書きました。中国では孔雀は雨を呼ぶ鳥だそうです
メスじゃなくオスにしたのは尾っぽの飾り羽根が可愛いからです!!(笑)