MARCO

□常ならぬ日。★
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朝から読み進めていた分厚い本の背表紙をぱたんと閉じて、物語の余韻に浸る様に古びたハードカバーの背表紙に手の平を滑らせる

市立の図書館にしては大きい部類に入るけど、だからといって珍しい本がある訳では無い。
立地条件が悪い訳じゃないけど”だからこそ”あまり利用客が居ないのは確かで
学生の長期休みでもない限りこれといって(接客を)する事も無いし日がな一日大好きな本に囲まれて居られるこの空間で読書に勤しむのが常だった

「どうやら読み終わったようだねい?」

『―――へ…、ぇt』

「随分と楽しそうだったんで声を掛けなかったんだよい」

『あ、ごめ…すみません!!わたしったら利用者さんそっち退けで本に夢中になってしまって』

「そんなに気にしなくていいよい。俺も俺で本読んでたから”退屈”はしなかったよい」

『はい、すみません。――貸し出しカードはお持ちですか?』

「いや、持って無いよい」

『それではお作りしますね。何か身分証はお持ちですか?』

「ん、…あー、免許証でいいかい?」

『はい。大丈夫です、コピーさせて貰いますね?その間に此方の用紙にご記入をお願いできますか?』

「ぁあ。……図書館で本を借りるのは意外と面倒なんだねい?」

『此処にある本は全てではないですけど、市の持ち物になるので紛失や破損した時なんかに誰が借りたのか解らないと困りますから…』

「よいよい。別に文句を言ってる訳じゃないんだ…それが”決まり”だってェんならやるからよい」

だからお前さんがすまなそうにすんなよい―――なんて言われて不意に頭を撫でられたりしたから
一拍遅れた心臓が急速に早くなって、頬が熱くなってくのを感じた。
その事を振り払うように身分証のコピーを取り、妙に丁寧な動作になってしまった事を隠すように記入されていく用紙を覗き込む

綺麗で男の人らしい字に知らずに『ほゎ…ぁ』と吐いた息にくつくつと笑い声が返された……

「オッサンの字見てて楽しいのかよい?」

『っ、そんな――”オッサン”だなんて!!とても綺麗な字で…羨ましいです!』

「お世辞でも嬉しいよい」

『お世辞なんかじゃないです、本心ですよい!!――あ、っ……』

「くくっく、そいつァ…俺の”マネ”かよい?」


う、移っちゃいました...

「お前さんの口から”よい”なんて聞かされたら、自分の”口癖”もうっかり「可愛い」なんて思えちまうねい?」
『からかわないでください!!』
「……(本心だとは言わない方がいいかねい?)よいよい、それじゃァ借りる本選んでくるよい!」
『お決まりになってたんじゃないんですか?』
「の筈だったんだけどねい、全部読んじまったんだよい」
『…あ、ゴメンなさい。本当にすみません!!わたしが原因ですよね…』
「いいや、原因てェんなら…仕事を忘れちまう程面白いその”本”だろい?」




…………)atogaki(…………
まず、名前変換が無くてすみません。切っ掛けはあった(とゆうか作った)のですが、なんとなくそのままスルーさせました。

マルコは我知らずに口説いてそうだなー…とか思います、それでサッチ辺りには僻まれてたりするんじゃないかと
かってに想像(妄想?!)して笑いました。いや何かもう本当に笑えたんですよ?頭の中にアニメーションで絵まで浮かんで……
管理人妄想末期ガンの為自主規制いたします。此処まで読んでくださった雛姫さんに伝染していない事を深く祈ります(笑)

 

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