MARCO
□おもちゃの指輪
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「1回3百円で玩具の指輪たァ…ボロい商売してるよい。」
『百均に行ったら何個かセットで百円だよね?』
「雛姫、それを言っちゃお仕舞いだよい。」
『でも、可愛いよね?六花弁の赤い花なんてさ?』
「褒め言葉の”お愛想”程心に痛いものは無いねい?」
『そんなんじゃないってば!!そうだ指に嵌めてよ?』
「…祭りの間中ずっと付けてるつもりかよい?」
『本当は毎日でも付けてたいけど壊れたら嫌だしね?』
左手には射的で取ってくれた胸に一抱えはありそうな大きな縫いぐるみ
右手には金魚すくいで取ってくれた出目金が1匹と赤い金魚が1匹入れられた青い紐の小さなビニール袋
―――と、マルコに取って貰った物で両手が塞がってるから自分で指輪を付ける事が出来なくて
金魚の入れられたビニール袋を手首に引っ掛けて右手をマルコに差し出す。
「折角指輪付けるんなら、やっぱり薬指がいいかねい?」
『入るならね?』
「裏で調節出来るようになってるから大丈夫だろい?」
するり…と嵌められた、赤い花―――
マルコに指輪を嵌められてる間お祭りの喧騒から切り離された様な気がした……。
…………)ATOGAKI(…………
いつだったか近所のお祭りで5・6才くらいの男の子が女の子に玩具の指輪を嵌めてあげてる
微笑ましい光景を見たのを思い出して突発的に書いた作品です。
いい大人(高校生でも可)が、こんな事していたら取り敢えず目撃した私が恥ずかしいわ!と逃げ去ることでしょう。