MARCO

□背中合わせの愛言葉★
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『ねぇ、マルコ?』

「んー…?」

『お酒ってそんなに美味しいの?』

「奇遇だねい。俺も今”同じ事”雛姫に聞こうと思ってたところだよい」

マルコは何だか凄い会社の重役らしくて祝日の明日も常通りに仕事があるけど、世間一般で言うところのフリーターであるあたしは
カレンダー通りにお休みで。少しでも長く一緒に居たいと思うあたしは今日もマルコの家に”お泊まり”に来てる―――

勿論その逆のパターンの時もあるにはあるけど(断然)少ないのは言うまでも無く明白だ。

『同じ事??』

「雛姫は”煙草”なんて吸ってて美味いのかよい?」

『――煙草の味ならマルコも知ってるでしょう。……ってゆうかですねマルコさん?』

「くくくっ…、何だよい?」

『質問に質問で返すのは狡くないですか〜?』

「相手が雛姫ならそれもありなんじゃないかい?」

お互いにお風呂上りで、2人掛けの狭い(きちんと座ればそんな事も無いけど)ソファーで横向きに座って背中合わせの体勢で
マルコは缶ビール片手にパソコンと睨めっこ。あたしは煙草片手に携帯ゲームと睨めっこ状態……
お互いに違う事をやってるけど先に1人で座ってたあたしを見て「横向けよい」と言ったのはマルコだから

きっとマルコもあたしと同じでこの窮屈な”体勢”を気に入ってるんだと(勝手に)解釈してる

『あのさ、マルコも好き??』

「ぁあ、好きだよい」

『何の事聞いてるか解ってる?』

「この体勢のこったろい?「惚れた女」の体温を背中に感じながら仕事出来るなんて有意義で最高だよい」

『ふっひゃひゃ!!それはそれは嬉しいですね〜?でも、それにしてはもう2時間近くもパソコンと戯れてるね?』

「困ったカノジョだねい。パソコンに嫉妬してんのかい?」

『うん。あと5分でも放って置かれたら”拗ねちゃう”かもしれないです、よい??』

「オマケに大っぴらに”照れ隠し”たァ、今すぐにでも「喰らっちまいたい」くらい可愛いねい?」

そう言ってあたしの首をくすぐる様に頭をぐりぐりと押し付けてくるマルコは至極楽し気で
必死にそのくすぐったさを我慢しながらゲーム画面から切り替えた携帯で素早く打ったメールをマルコが今使ってるパソコンに送りつけた

「くっくく、――……雛姫、「セクハラ」って言葉の正式名は知ってるのかよい?」

『セクシーハラスメント!!』

「色気出してどうすんだい!”セクシュアルハラスメント”だよい」

『ありゃ?!そうなの??マルコ頭い〜ィ、あたしにも分けてください!』

「雛姫は今のままで充分可愛いからそのままで居てくださいよい?」

『っ〜…きゃーぁ!!テレる、テレちゃうよ?ってゆうかテレた!!!』

「あー…ぁ、まったく残念だよい。そんな顔見せられてたら否応無く「喰らっちまってる」ってェのに、いっそ仕事なんて放棄しちまおうかい?」

『マルコはそんな事出来ないでしょう?あたしは全然構わないけどさ?』

「ぁあ―――こんな時ばっかり自分の性格が徒{あだ}になるねい……」

『そうゆうマルコが大好きだよ!』

「嬉しい事言ってくれるねい?俺も、そうゆう雛姫が大好きだよい!」


ところで、何の話をしていたんだっけ??

「酒と煙草は「美味いのか?」って話しだよい」
『あー、そうでした!!―――それで、どうなの??』
「そうだねい……体に悪いのは解っていても”止められない”くらいには美味いよい。雛姫はどうなんだい?」
『あたしはマルコがお酒を『止める』なら止められるくらい、かな?』
「、……ったく、どうしようもなく可愛いカノジョだない。一体どうしてくれようかねい?」




IIWAKE↓。
どこからこんな事になったのか??携帯で下書きしてた時はさらっとした話しだったはずなのに......
どろどろに甘い仕上がりになったのはきっと連載の主人公が原因かと思われます。

 

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