MARCO

□優しい手の平
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普段はどんな事が繰り広げられていても
モビーディック号のこの広い甲板を
狭いだなんて絶対に思う事は無いけど

今夜みたいな日はそれを明白に感じて
少し窮屈だとさえ思えてしまうのは
サッチたち4番隊の皆が厨房で丹精込めて
ふんだんに拵えた料理と大量の酒が
甲板の大半を占領し、其処にこれだけ
大勢のクルーが詰め寄せているから…


そんないつもは思わない感覚を視覚から
見て取れてしまうからかもしれない。


「…どうしたよい??」


『ぁ、マルコ!!向こうはもういいの?』

「ぁあ、また呼びに来るだろうねい…。
でも今は雛姫の様子が気になって
それ所じゃないと抜けて来たんだよい」


『――…私、そんな顔してた??』


考え事をしていたから少しぼー…っと
してたかもしれないけど、マルコが
遠くからわざわざ気にしてやって来る程
それを顔に出していたとは思わなくて
自分の頬に両手をやるが何も解らない。

「雛姫は顔に出ないから逆に…いや、
俺が気にして見過ぎてたのかねい??
何でも無いならそれでいいんだよい!」

マルコは平気な顔して言ったけど
私はとても平気じゃいられなくて…!!
それがバレない様にしようと持ってた
樽ジョッキのお酒を一気に煽った



「そんな飲み方したら酔いが回るよい
せっかくの宴なんだ雛姫だって
早々に部屋に引っ込みたくはないだろい??」


『大丈夫だよ!!サッチが私のお酒は
船一番の弱い酒だって言ってたから!』


これくらいで酔ったりしないよ!!っと
言ったつもりだったんだけど、マルコは
それでも中の上位の度数なんだと言って

「程々にしとけよい?」

っと、頭を優しくぽんぽんと撫でてくれる


その行為こそが今の私には酔いそうな程
クラクラと目眩を引き起こさせるのに
充分過ぎて、全身がどうしようもなく
熱帯びてく感覚を拭い去れずにただただ
じっとマルコの優しい手の平を感じてた。


×××…
((…雛姫の奴何か拗ねてたのか??))
((あのなーぁ、エース…あれをどう見たら
そうゆう雰囲気に見れるんだよ!?))

 

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