MARCO

□嫉妬の治め方
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ベッドの上で布団に包まって
それしか言えないのか??っと思う程
寒い、寒いばかり繰り返し言いながら
時々小さく唸り声もあげる

そんな雛姫に苦笑いを零し
背にしていた壁にある丸窓から外へ
視線を向ければ、まだ雪が降っている。


「このまま行けば、出航前に
甲板の雪はねをしなけりゃねい…。」


モビーディック号の甲板は広い
其処一面に降り積もった雪をはねるとなれば
メインデッキに2つ、船首デッキと船尾デッキには
2組に分けて1つの隊がいっせいにやらなきゃならない

通常4つの隊が母船であるこのモビーディック号に乗ってるが…
出航の準備と平行してそれを行うのには
人手もいるし何より手間が掛かって仕方が無い。

『…マルコ、どうかしたの??』

不意に名前を呼ばれて、はっと我に返り
今から気を揉んでいても仕方が無いと首を横に振って
いいやっと小さく言葉を返して視線をベッドに戻した。


「やっと、布団から顔を出したか。
ホットミルクを飲む気にまったかよい?」

『うん。でも、もう冷めちゃったかな?』


「そうだろうねい」


のそのそと起き上がり頭の上から落ちた
布団を胸の前で掻き集めると
肩から羽織るようにして、左手を伸ばし

丸机の上に置いたカップを手に取る―――

俺が其処へ置いた時はまだ白く湯気が
沸き上がっていたんだが今はそれも無い。


「少しは温かくなったのかよい?」


『ううん。それが全然!!
ねぇ、マルコ何かいい方法は無い??』

「そうだねい―――…
熱い風呂にでも入ってみたらどうだい?」


『お風呂か…ぁ、ちょっと面倒かも』


聞いておいて拒む雛姫に自業自得だと
口から出そうになった言葉を飲み込み
変わりに呆れたため息を吐けば
小首を傾げた雛姫が覗き込んで来る


――――島に降り積もった雪と
空から降り落ちてくる雪の両方に
はしゃいで先を争うようにしながら

エースと一緒に船を飛び出して行った
雛姫にコートを取りに行って戻って来れば…

「雛姫顔真っ赤だぞ?!寒いのか?」

『流石というか、何ていうか…
エースの手は温かいね?』

そう言って頬を包む様なエースの手に
手を重ね合わせた雛姫の
楽しそうな顔を見て、わざわざ部屋まで行って
持ってきたコートを渡す事も忘れて―――…
船縁に頬づえを付きぼんやりとその様子を見てた。



「寒いなら温めてやろうか?」


『何かいい方法でもあるの??』


そう聞いて首を傾げたのも一瞬すぐさま
”ヤバい!!”っというような表情をした雛姫の
頬を包み込んで顔を引き寄せ
何か言いかけた言葉を奪うように口付けた…


×××…
((裸で抱き合ってれば
冷え切った身体もすぐに温まるよい?))
((…本当に抱き合うだけ、だよね??))

((雛姫がそんなに望むならその続きってやつを
やるのも吝かじゃねぇよい!!))

 

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