MARCO

□ピュア
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いつだったか前にエースが”誇り”だと言っていた
刺青は、マルコにもある


いつでも全開のシャツから覗く胸に
”十字にヒゲ”を模したそれはあるのに
興味を持つなっと言うのは無理な話しだと思う。



ベッドの縁に座って本を読んでるマルコの
足を枕にして寝転がってみれば
マルコの大きな手が優しく頭を撫でてくれる
その心地よさに笑みを浮かべる私を見て

「よいよい。
まったく雛姫は可愛いねい…」

そう言って同じように笑みを浮かべたマルコは
すぐに視線を本に戻してしまった


頭を撫でていてくれた手も今は乗せられているだけで
時々、本のページを捲った後に
ふわりと撫でられたような感覚があるだけ…
手持ち無沙汰になった私は何と無しにやった視線の先に
その刺青があるのをぼんやりと見ていた


これもまた随分と前の話になるが

『私も同じのを入れたい!!』

っと、言った事があったのだけれど…

”マルコとお揃い”って理由じゃ動機が不純だと
あっさり否定されてしまって、それから何度お願いしても
返って来る答えが変わる事は無かった。


「…雛姫、止めろよい」


『なんで??』

「何でもだよい!!」

今でも刺青を入れたいという気持ちに変わりなんて無いのに
こうもありありと見せ付けられては触りたくもなる


マルコが本に夢中なのをイイ事に
指先でなぞるように刺青を触っていた私の
手首を掴み取ると、ため息を吐いて苦笑いを浮かべる

それは唯一、私の嫌いな表情だ…。



『触るくらいいいじゃん。ケチ!!』


「―――ケチとは違うよい」

『そうなの??じゃーぁ、何?』


「それを雛姫が理解してくれれば
俺も少しは気が楽になるんだけどねい??」


『ふーぅ…ん??』


×××…
((解ったのかよい??))
((私が”まだまだ子供”だって事だけは))

((そっちの理解かよい?!今はそれだけでもいいが
早い所”別の”方にも気付いてくれると嬉しいねい…))

 

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