MARCOU

□交じり合う青
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『よかった!!何とか平気そうだね!』

「……俺…ぁ、夢でも見てんのかねい?」

『状況も解ってるみたいだし異常ナシかな?あれだけのサイクロンに囲まれて巻き込まれたのに無事なんて奇跡だよ!!』

「―――…そうだ、四方をサイクロンに囲まれて……巻き上がった海水に力を奪われたんだったねい。」

『この辺りは海竜の巣って呼ばれてるサイクロンの大量発生ポイントがあって、それに巻き込まれたら無事じゃ済まないはずなんだけど……』

「海水から抜け出した事で僅かに能力が戻って再生したってとこかねい…。」

『悪魔の実の能力者が泳げないって本当だったんだね!どんどん沈んでくんだもん死んじゃったかと思っちゃった』

能力者になって日も浅い頃には何度かあったが、随分と久し振りに海中に放り出されて
沈んで行く中薄れゆく意識で見上げた海面はきらきらと輝いていて心の底から綺麗だと痛感した。
不思議と死ぬという実感は無かったがこうして目覚める事が出来て生きてる実感は湧く

白浜に横たわる体を無理やり起こして隣へ視線を向ければまだあどけない顔をした人魚が笑みを浮かべてこちらを見ている

「……その、尾―――二股になるとは聞いていたが鱗はそのままなんだねい?」

『人魚の二股を見るのは初めて?気持ち悪いでしょう?鰭も鱗もそのままただ2つに分かれただけで』

「そんな事ねーェよい!マリンブルー色の綺麗な鱗じゃねェか、青は俺の1等好きな色だよい!!」

『……んっふふ!!変わった人だね?そんな事言った人間は貴方が初めてだよ』

「これまでにも人間に会った事があるのかい?」

『少し前まで5年くらい飼われてたの。でも二股になったら気持ち悪いって捨てられちゃった!』

「自由になれてよかったじゃねーェか。そうだろい?一生飼われてるよりずっといいよい!」

『そうかもしれないけど、帰る場所が無いから…』

「そんなら俺が連れてってやるよい!」

『魚人島に連れてってくれるの??』

「いいや。連れてくのは白ひげの船、モビーディック号だよい!」

『白ひげ!?白ひげって、あの、フィッシャー・タイガーに並ぶ魚人島の英雄白ひげ海賊団!?』

「帰る場所も、居場所も欲しい物は全部やるよい!……なんなら、魚人島にも送ってやるよい?」

キミにあげよう

『…どうして……どうしてそこまで?』
「言ったろい?青は1等好きな色だって、掻っ攫いたくなったんだよい」
『かっ…攫う?!』
「それとも、“惚れた”から連れ去りたいって言った方がいいかい?」




…………)atogaki(…………
しらほし姫の登場で人魚姫の御伽噺を思い出して書いてみたいと思ってたのですが
相手をマルコにすると助けただけで終わるのはどうかと思い海賊らしい結末をあぐねた結果、“攫う=惚れたから”という結末にしてみました^ω^♪
童話パロは読んだことあるのですが書くのは初めてで出来栄えに不安は隠せません;

 

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