MARCOU

□大好きな人は2番目!
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「後はこいつを此処に押し込んで……―――これで仕舞いだ!ほら、一丁上がり!!」

『ありがとうイゾウちゃん!くそ忙しい時にお願いしちゃってゴメンね?』

「はははっ!確かにそう言って出迎えたが、こんな用件なら大歓迎だ!」

『イゾウちゃんにお願いしてよかった!こんなに早く綺麗に出来るなんてスゴいね!!』

「なぁに、お安いご用だ!木戸銭<きどせん>代に1つ聞かせちゃあくれないかい?何だって着物を着る気になったのか…を」

『エースの誕生日だとか戦闘だとか新年の祝いの宴とか、戦闘とかいろいろ立て込んでて今日になっただけだよ?』

「タイミングの問題だったってー訳か?引き止めて悪かったな、さっ早く旦那の所に行ってやんな!」

『ふぇ?!――…ぁ、ぅ、うん?』

朝飯の後に隊長会議をやるから隊長格は食堂に残るように言ってあったんだが、姿をくらましたイゾウを連れ戻しに気配を頼りに船内を歩いてると
ドアの前に来たところで内から開いた其処からイゾウがしょっちゅうしてる格好に似た姿をしたのが出て来て

『あれ?マルコ、隊長!――どうして此処に?もしかしてイゾウちゃんに用事??』

「……雛姫かい?!そんな格好してるから誰だか判らなかったよい」

『孫にも衣装ってやつ?和の国の商船でとーさまが買ってくれた着物をイゾウちゃんに着せてもらったの!』

「そう言やぁ、ごたついてて着る暇が無かったねい……似合ってるよい!」

戦闘重視で動きやすさばかり重きした軽装しかせずスカートやワンピースといった女らしい服装など滅多にする事は無い
そんな雛姫がお淑やかな格好をしてるもんだから一瞬本当に誰だか判らなかった。
服装1つで此処まで雰囲気が変わる物なのかと内心酷く感心していれば、勢いよく項垂れた雛姫が両手でシャツの裾を握り締めていやいやと首を振る

『苦しいのこれ!せっかくとーさまに買ってもらったし着てみたけど帯がキツくて長時間このままはムリ!!』

「ラフな格好ばっかりの雛姫には拘束具みたいな服だからねい。チャレンジ精神だけは誉めてやるよい!」

『ありがとうマルコ隊長!今からとーさまのところに行くから後で部屋に行くね!』

「あぁ、あんまり早く来ても俺は部屋に居ないかもしれねーェからゆっくりしてこい!」

『うんっ!!そうするつもり!』

改めまして”あけましておめでとう”ございます!

「グララララ、随分としおらしい格好じゃねーぇか!そいつぁあん時買った着物か?」
『本当はとーさまに1番に見せたかったんだけど、不可抗力でイゾウちゃんとマルコ隊長が先になっちゃった……』
「好きな人に1番に見てもらう!って言ってたんだイゾウは不可抗力だとしてもマルコに見てもらえたんならいいんじゃねーぇか?」
『わたしはとーさまに1番に見てもらいたかったの!!』
「グララララララ!!嬉しいこと言ってくれるじゃんぇか!でもマルコの奴ぁ不憫だな?」
『どうして?1番好きなのはとーさま!マルコは2番だもん!!』




…………)omake(…………
「しっかし、お前さんも浮かばれねーなマルコ?お嬢の1番は相変わらず親父のままとは」
「雛姫の1番は親父だよい。俺と付き合ってようとその優先順位は変わらない」
「―――言ってて悲しくならねーのか?」
「俺だって同じだよい!雛姫を咎める事なんざ出来やしねェ」
「……似た者同士だったな。詰まらねーぇいざこざも無縁ってやつか!」

 

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